ストーリー第7回「患者会を作らなければ始まらない」 顔と実名を明かした当事者たちノンフィクション作家・下山進印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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第3章 シスターフッド その2実名露出を決意した野口麻衣子と木瀬真紀は、患者会設立を求めて太宰牧子に会う。太宰は、HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん)の患者会をつくって実名活動していた先達だ。家族会からは激しい拒絶にあう 二人はラインで最初にやりとりしたその日から急速に親しくなっていく。 まずは家族会を通じて「着床前診断」のことを考えられないか、ということになった。 網膜芽細胞腫では、親の会ともいえる会があった。患者会ではない。患児の親が中心の会だった。実際、当時の会長は、健康な女性で子供が網膜芽細胞腫という人だった。 その会長に分科会として「着床前診断」を考える会をつくれないか、ということを打診したのだった。 が、激しい拒絶にあう。「ようは出生前診断をしたいということなんでしょ」と電話口で野口を遮った。「子供に遺伝するのが嫌なの? 網膜芽細胞腫にさえならなければ、ダウン症や自閉症でもいいの? そういうのを優生思想っていうのよ」 とまるで犯罪者であるかのように野口は責められた。あまりのことに唇が震えた。 木瀬に対しても大変な剣幕だった。「命の選別でしょ。中絶するんでしょ。国が認めていないものをこの会で認めるわけにはいかないわよ。やるなら会を出ていって」 そもそも会長は着床前診断を羊水検査やNIPTなどの他の出生前診断と混同しており、中絶をともなうものではないことを説明しようとしたが、聞く耳をもたなかった。■実名での登場…この記事は有料記事です。残り3590文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






