大川小の生存者らが手話で届ける未来への歌 「とっておきの音楽祭」2026年6月8日 8時00分三浦英之印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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障害のある人もない人も一緒に音楽を楽しむ「とっておきの音楽祭」が7日、仙台市中心部で開かれた。東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人が犠牲になった宮城県石巻市の旧大川小学校の卒業生らのグループも参加し、交流を続けてきた盛岡市のハンドシンガー・星ゆきこさん(59)と手話で歌を届けた。 ♪風かおる 北上川の 青い空 ふるさとの空 石巻市大川地区から約60キロ。仙台市のせんだいメディアテークの特設会場に、2018年に閉校した旧大川小の校歌が響き渡った。 ステージに立ったのは、あの日、旧大川小で津波にのみ込まれながらも生き残った只野哲也さん(26)が代表を務める「Team大川 未来を拓(ひら)くネットワーク」のメンバーら。 被災した旧校舎を震災遺構として保存する活動に関わった卒業生らが2022年に立ち上げた団体で、震災の伝承や大川地区における新たなコミュニティー作りを目指して活動を続けている。 校歌を歌うメンバーの隣に立つハンドシンガーの星さんは、1歳半の時に高熱でひきつけを起こし、聴覚をほぼ失っている。その後、読唇を学び、現在は歌い手の横に立って唇を見ながら手話で歌を届ける。 両者の出会いは震災直後。岩手県職員だった星さんがボランティア団体を設立し、被災地に支援物資を運ぶ活動をしていた際、まだ小学生だった只野さんと出会った。只野さんは津波で祖父と母、小学3年生の妹を亡くしていた。 星さんは「大切な家族を失い、悲しみに暮れる子どもたちに出会い、私も何かの力になりたいと思った。『私は耳が聞こえないけれど、頑張っている、生きているよ』。そう伝えたくて、手話で歌い始めたんです」と振り返る。その後も交流が続き、只野さんが家族で岩手県を訪れた際には、星さんがガイド役を務めた。 2024年、「Team大川」が「こころのつばさ」という歌を作った際、多くの人に届けるために手話をつけようというアイデアが出された。只野さんは「僕たちの気持ちをきちんとくみ取り、手話に変えてくれるのは、星さんしかいないと思って依頼しました」。 ステージで披露されたのは、旧大川小の「校歌」と「こころのつばさ」、星さんが作詞した「ココロの風」。 思い出のたくさん詰まった母校の校歌と、未来の希望を歌った「こころのつばさ」が、歌声と手話で仙台の空へと広がっていく。 演奏後、只野さんは「歌や伝承活動を通じて過去と未来をつなげていきたい」。星さんは「震災が風化しないよう、これからも手話で伝えていきたい」と話した。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人三浦英之仙台総局専門・関心分野社会全般関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






