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各国料理店や中古車輸出業など、日本でビジネスをする多くの外国人経営者が、在留資格の要件変更に困っている。仙台市で在留資格の申請をサポートしてきた行政書士、武山真志郎さんに課題を聞いた。 ――外国人経営者に必要な「経営・管理」の在留資格で不正取得が増えているとして昨年10月、取得に必要な資金が6倍の3千万円に引き上げられるなど、要件が厳しくなりました。 不正への対策は大変重要な課題で、間違いなく必要です。ですが、在留期間を更新するハードルまで一律に引き上げた今回の変更は、既に許可を得て適法に在留してきた多くの真面目な外国人経営者にまで、「日本にいられなくなる」という不安を与えています。とても大雑把で、罪のない人々を巻き込む不当な対応だと考えています。主客転倒強いる「いびつ」な対策 ――最も不安を与えている要件は? やはり、持つべき資金が3千万円に引き上げられたことです。ほとんどの方々の資本金は、これまでの要件だった500万円のまま。それも、親戚などから借りてやっと作ったお金で、細々と返している人も多いです。 資格更新の場合、3千万円にすべき期限は経過措置が終わる2028年10月まで。でも、皆さんが経営する飲食店や小規模な貿易業では、うまく仕事が回っても、それが可能なほどの利益は出ません。絶望に近い思いの方々が大半です。 そもそも、多くの方々が3千万円もの設備投資を必要とされておらず、事業上不要な資本金積み増しのために強引な事業拡大を迫られているのが実態なのです。増資のために事業拡大するという目的と手段の逆転現象も、この対策のいびつさだと思います。 ――他にも悩みはあるでしょうか? 日本人や永住者などの常勤職員を雇う義務です。例えば外国料理店が事業拡大するなら本来、その国の料理が出来る調理師がほしいわけです。なので、不要な人材の雇用が強制となる蓋然性(がいぜんせい)が高いですし、発生する無駄な人件費は、課せられた増資のためにも不合理です。すでに帰国者も ――現在は経過措置の期間中ですが、変化はありますか? 審査が厳格になりました。今回の要件変更は、実体のないペーパーカンパニーを使って在留資格を不正取得する外国人がいる、との指摘がきっかけのひとつです。そうした経営実態のチェック強化と同時に、それ以外も厳しくなりました。 例えば、料理店経営者が人手不足などで調理場を手伝うことが、今まで以上に見逃されなくなっています。在留資格で許可された「経営」を逸脱する資格外活動とみなされ、更新が不許可になるのです。 不正をしっかり排斥することは本来、善良な外国人経営者にとっても望ましいことですが、実際に長年営んだ店を畳み、地域に惜しまれつつ帰国するケースも出ています。不正は個別に摘発を ――新たな要件で、不正防止は可能ですか? 苛烈(かれつ)な副作用に見合う効果があるかは疑問です。私自身、不正が疑われる依頼を断ったことがあります。その中には、財力や組織力などで、新要件でもすり抜けられそうなものもありました。 不正は、審査や調査を通じて地道にひとつずつ摘発すべきです。それが最も効果的で、関係のない外国人経営者を守る道でもあります。 ――国は、経過措置の後も経営状況によっては、新要件を満たしていない経営者の資格更新を認める場合がある、との配慮は示しています。 どんな場合に更新が認められるのか、具体的な基準が示されなければ、かえって外国人経営者の将来設計を不安定にします。新要件適用の見直しや要件緩和など、さらに踏み込んだ配慮が必要です。 たけやま・しんじろう 仙台市生まれ。宮城県行政書士会所属。日本行政書士会連合会東北地方協議会・国際業務連絡会の代表幹事。地方自治体主催の外国人雇用のセミナーや、技能実習生向けの法的保護講習の講師も務める。