【社説】エスニック料理店にも影響 経営・管理ビザは実情に配慮を2026年6月2日 19時00分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするこの社説のポイント●在留資格「経営・管理」の要件が厳しくなり、廃業検討や閉店といった影響が出ている●要件にある資本金3千万円の設定は無理があったと言わざるを得ない●経過措置終了後も含め、営業実態や家族などの実情を考慮した柔軟な判断を求める
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ルールの悪用は防ぐ必要があるが、まじめに経営してきた外国人まで排除しては「共生社会」にはならない。 政府は外国人が日本で起業する際に必要な在留資格「経営・管理」の取得要件を2025年10月に厳しくしたが、廃業検討やエスニック料理店などの閉店といった死活的な影響が出ている。出入国在留管理庁には、滞在年数や営業実態、家族などの実情を考慮した柔軟な判断を求める。 「経営・管理」が移住に悪用されているとの批判から、資本金や出資総額の要件が500万円から3千万円に引き上げられた。そもそもは15年、国内企業で経営に関わる外国人を広く迎えたいとのねらいで始まった在留資格だ。 在留期間は3カ月から5年。更新可能で、家族も帯同できる。従来は「500万円以上の資本金など」か「2人以上の常勤職員」のいずれかが必要で、起業する外国人の受け皿になってきた。 しかし、ペーパー会社を使って在留資格を得る悪用が確認され、国会で要件の見直しを求める質問が相次いだ。政府は必要な資本金を6倍の3千万円にし、1人以上の常勤職員なども要件に加えた。家族の将来を奪う可能性も 入管庁によると、厳格化前に「経営・管理」を持っていた人のうち資本金3千万円を満たしていた人は10%未満。新規申請(一部の高度専門職含む)は厳格化前後の約5カ月間で、月平均で96%も減った。在留申請に関わる行政書士の間では「個人経営の飲食店で資本金3千万円まで成長させるのは厳しい」との声があがる。外国人による起業では、やっと500万円を集めた例が多いという。 入管庁は他国の制度を参考にした上で安定経営に適する額を考えたとする。しかし、3千万円の資本が不要な業態もある。金額設定に無理があったと言わざるを得ない。 政府は外国人政策の厳格化を進めるが、当事者からあがる「一生懸命、日本で店を続けている頑張りを、どうして見てくれないのか」という声は切実だ。日本にしか生活基盤がなければ、一緒に暮らす家族の将来も奪う。零細企業であっても地域経済を支えており、客や取引先、従業員の雇用にも影響する。 入管庁は、28年10月までの経過措置の間に更新する場合、新要件を満たさなくても、経営状況やさらに次の更新時の見通しをふまえて判断するとしている。入管庁は経過措置終了後も3千万円にこだわらず、実情を考慮した対応をとるべきだ。悪用防止には、実地調査などによる実態把握の強化が先だ。「店を閉じるしか」インド料理店が悲鳴 外国人に資本金3千万円の壁「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







