「いざとなれば突く道具に」とクマに向かった「コロコロ」を持つ高橋和子さん=2026年6月1日午前11時20分、岩手県釜石市、東野真和撮影
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クマが、台所の網戸を突き破って入ってきた。家の中にいたのは、足が不自由な80歳の女性。しかし、彼女は冷静だった。 岩手県釜石市の高橋和子さん(80)は、里山の斜面にへばりつくようにある集落の、一番奥に住んでいる。30年前に夫が、昨年には長男が亡くなり、一人暮らしだ。山の斜面に立つ高橋和子さんの家=2026年6月1日午前11時49分、岩手県釜石市、東野真和撮影 5月31日午後6時40分ごろ、雄の柴犬の雅(みやび)が突然ほえ始めた。直感的に思った。「クマだ」 夕暮れ時には、よくクマが家に近づく。周辺にスモモや柿の木があり、登っているのを見たこともある。 いつもなら、雅が鳴けば近づこうとしないが、この日は違った。雅は、気が強い。「近づいてほえ過ぎたのか」。体長1.5メートル近くありそうなクマは、庭に入り、雅に向かってきた。 「これは危ない」。急いで警…








