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クマ駆除の最前線<前編> 4発の銃弾を浴びてもなお、そのヒグマは反撃してきた。 今年4月、北海道・後志地方の島牧村の山中。春期管理捕獲にあたっていたハンターの高島紀彦さん(69)がヒグマに襲われ、重傷を負った。 狩猟歴40年以上。地元猟友会のトップとして後進育成の先頭に立ち、「数えていない」ほどのクマと対峙(たいじ)してきた。 骨が砕かれる音が響く、体感にして約5分間の死闘。高島さんは冷静な判断を重ね、生還を果たした。証言から、緊迫の現場を再現する。【後編はこちら】革手袋が守った手、残る後遺症 ガバメントハンター「非常勤」を問う銃声を恐れない「第3のクマ」 4月26日午後4時すぎ。高島さんを含むハンター5人は車に分乗し、仲間内で「ミッチの沢」と呼ぶ山奥の急峻(きゅうしゅん)な沢に向かっていた。そこは過去にもヒグマを捕獲した実績のある場所だった。 「春期管理捕獲」は、痕跡を発見しやすい残雪期(2~5月)に実施される。人里周辺への出没抑制や後継者育成などが目的で、人の生活圏へのヒグマ出没が社会問題化している北海道では、重要度が高まっている。 残雪期は木々の葉が茂っておらず、視界も利く。一行はほどなく、沢の中段あたりでヒグマ1頭を発見。計3~4発を発砲して仕留めた。この日2頭目だ。その直後。 「きたきた!違うやつ出てきた!でかいわ!」 クマの回収のため、5人が沢の急斜面を登り始めた時、最後尾の1人が、200~300メートル先の崖の縁の「別個体」に気づき、無線で叫んだ。 直前に銃声が響いていたのに、警戒せず接近してくるなんて――。 予想外の動きに、現場は緊迫した。 「俺、撃つぞ! どうする社長(=高島さん)? 撃つか?」 隊列の先頭にいた花田雄二さん(57)は、無線で隊長の高島さんに指示を仰いだ。 「撃て撃て!」 花田さんは素早く2発を発砲。クマの背中あたりに1発を命中させた。 次の瞬間、クマはうなり声をあげながら崖から転がり落ち、花田さんの横を通り過ぎた。 「いったぞ!生きてるぞ!気をつけろ!」 止まったのは約10秒後。隊列3番手の高島さんまで3~4メートルだった。「この野郎がくたばるか、俺の手がなくなるか」 半矢(手負い)のクマは極度の興奮で、極めて危険とされる。 至近距離すぎて、スコープ(…この記事は有料記事です。残り1059文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






