インタビュー海自の新部隊・両機戦群 初代司令が語る南西シフト「三重の効果」聞き手・上沢博之印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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海上自衛隊は今年3月、「創設以来最大級」と言われる大規模な組織改編を行った。長年主力を担ってきた護衛艦隊を含む水上戦力が「水上艦隊」に集約され、長崎県佐世保市には新編された「水陸両用戦機雷戦群(両機戦群)」の司令部が新たに置かれた。 両機戦群には、全国の掃海艦艇が七つの「機雷戦隊」にまとめられ、直轄の護衛艦「いせ」や、水陸両用作戦で陸自水陸機動団(水機団、本部・佐世保市)の海上輸送などを担う水陸両用戦隊(広島県呉市)も所属する。 その両機戦群の初代司令に就任した池内出(いずる)海将補(58)に、新編の意義などについて聴いた。全国の掃海艦艇を一元化 ――今回の海自改編で、大きく変わったことは。 「両機戦群が新編されたことは、主要な改編の一つです。従来の掃海隊群の船や人員のほか、各地の地方隊に所属していた掃海艇やダイバーらを含む水中処分隊も両機戦群に集約され、全国に第1~7の機雷戦隊ができました。部隊を一元的に管理し、より計画的、効率的に運用できるようになりました」 ――池内司令は掃海隊群司令から、両機戦群の初代司令に就任されました。どのようなお気持ちですか。 「職責が大変、重くなりました。緊張感も増し、身の引き締まる思いです。所属する艦艇は旗艦『いせ』、掃海艦艇16隻と掃海母艦2隻、輸送艦3隻など。所属する人員は2千名を超えます」 ――「水陸両用戦」とは、どういったものなのでしょうか。 「島の防衛や奪回などを担う陸自の水機団の部隊を輸送艦で運びます。ビーチ近くからの上陸では、LCAC(エルキャック)というホーバークラフトを使ったり、水機団の水陸両用車(AAV7)を出撃させたり。ヘリコプターで運ぶこともあります」 「輸送艦は『丸腰』に近い船なので、エスコートする水上艦隊の護衛艦をつけてもらって、ミサイルや潜水艦の魚雷などの攻撃に備えて警戒してもらいます」佐世保に司令部 陸自・米海軍との連携重視 ――従来の掃海隊群は、神奈川県横須賀市に司令部がありました。両機戦群の司令部が横須賀ではなく佐世保に置かれたメリットは。 「陸自の水機団、米海軍の機雷戦部隊や水陸両用戦部隊との連携という三重の意味で、作戦の効率を大きく向上させられます」 「水機団は、私たちと水陸両用戦を一心同体でやる『兄弟』ともいえる部隊。洋上に出る時、水機団の隊員が何百人単位で船に乗り、乗組員である海上自衛官より多いこともあります。その水機団の拠点が佐世保(相浦駐屯地、崎辺分屯地)にあるので、平素から顔を合わせて、調整や作戦の立案などを濃密に行うことができます」 「米海軍も、第77任務部隊という機雷戦の部隊や掃海艦の拠点が日本では佐世保だけにあり、第11水陸両用戦隊も佐世保が拠点です。当然、意思疎通が容易になります」「対中国」への意識は ――防衛力の「南西シフト」を象徴する変化ですね。尖閣諸島の防衛や「台湾有事」など、中国の脅威に、距離的に対応しやすいという意図もありますか。 「南西地域と佐世保が比較的…この記事は有料記事です。残り1659文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする