インタビュードラマ好きに好評「銀河の一票」 専門家がみる「エルピス」との違い2026年6月1日 7時30分聞き手・岩本修弥印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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この春にスタートした、東京都知事選を舞台にしたドラマ「銀河の一票」(フジ系、毎週月曜夜10時)が、ドラマファンからの注目を集めています。 日本大学芸術学部放送学科の中町綾子教授(ドラマ批評)もそのひとり。選挙をめぐって展開される人間模様が巧みに表現されていると評価します。その理由を聞きました。 ――なぜ話題になっているのでしょうか。 私は2話目の放送中、X(旧ツイッター)で「緊急事態だ」と皆さんにお知らせしました。展開や感情表現に感動したからです。 主人公の星野茉莉(まつり)を演じる黒木華さんと、月岡あかりを演じる野呂佳代さんの会話劇に圧倒されます。都政から国を変えようとする2人の言葉が、心に突き刺さります。 現代は言葉が無力化し、他者との対話が難しくなっているように感じます。でもこのドラマでは、政治家の娘である茉莉と、スナックママのあかりという、異なる環境で生きてきた2人が出会い、率直な言葉を交わし、対話することで道を切り開いていきます。 例えば、茉莉はあかりに、議員秘書だった過去についてこう自省します。「もううそはつきたくないなあって。息を吐くようにうそをついてきたんです」 茉莉は、人を人として扱わない社会の中で生きてきた。第1話でも「国民って簡単」と思って生きてきたことをあかりに伝え、謝罪しています。 勝てるかどうかの「票読みゲーム」や、陣営の対立にフォーカスせず、政治への志や見据えるべき社会の課題を拾い上げ、会話劇として構成しています。 ――物語はそろそろ終盤を迎えます。どんなラストに期待しますか。 プロデューサーの佐野亜裕美さんが3年半前に手がけた「エルピス」は報道倫理に踏み込むドラマでした。慣習にとらわれず、事実に迫る。そんな報道の使命の尊さとともに、無力感も感じさせられました。 一方、今作では現実と希望が必ずセットで描かれています。登場人物たちはみな、一度は深い穴に落ちても、諦めていない。そのことも多くの人の心に響くはずです。■中町綾子さんの略歴 なかまち・あやこ 日本大学芸術学部放送学科教授。専門はドラマ批評。テレビドラマを日本の文化の側面から分析する。著書に「ニッポンのテレビドラマ21の名セリフ」など。現在、橋田文化財団評議委員、放送番組センター理事、BS朝日の放送番組審議会の委員なども務めている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人岩本修弥文化部|大阪駐在、放送・芸能担当専門・関心分野防災・減災、コミュニティー、放送・芸能(お笑い)関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする