インタビュー聞き手・牧野愛博印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
[PR]
核不拡散条約(NPT)再検討会議が22日、閉幕しました。ウクライナ戦争や米国・イスラエルによるイラン攻撃、北朝鮮の核問題などで対立し、2015年、22年の会議に続いて、核不拡散、軍縮の方向性などを示す「成果文書」を採択できませんでした。長崎大学核兵器廃絶研究センター長の吉田文彦特命教授は「核リスク低減につながる軍備管理を追求すべきだ」と語ります。成果文書を採択できなかったNPT再検討会議 読み解くポイント5つ ――今回の再検討会議をどう評価しますか。 3回連続の不採択を避けようと、対立点をめぐる字句を削除したり表現を弱めたりしましたが、奏功しませんでした。約190カ国・地域が加盟するNPTの再検討会議は、「現実の国際情勢を映す鏡」です。ウクライナ、イランなどでの戦闘や、大国間の利害対立が続くなか、採択がコンセンサス(「どの国も正式に反対しないこと」を前提とする)方式だけに、開催前から採択は難しいと予想されていました。崩れてはいない「グレートパワーコンセンサス」 ――核保有国と非核保有国の対立は深まるばかりです。 最終文書採択を求める声は、核軍縮を求める国や人々の間でとても強かったと思います。NPTを抜けて核兵器禁止条約(TPNW)だけに加盟する国が生まれ、NPTの形骸化が進みかねないとの危機感があったからです。NPT体制が突然崩壊に転じることはないでしょう。 核不拡散を実態的に支えているのはNPTです。NPT離れを加速して予測可能性の低下や不確実性の拡大を招きたくない点で、一定の共通の利益があります。核保有国や「核の傘」に入った国が参加しないTPNWがどこまで核軍縮を促進できるかも不透明です。 NPTが維持されている大きな要因に「グレートパワーコンセンサス」があります。NPTが核保有を「公認」する5カ国の間での、「核保有国を増やさないためにNPTが必要で重要」との認識です。核保有国は再検討会議で対立しながらも、この認識は崩していません。【連載】読み解く 世界の安保危機ウクライナにとどまらず、ベネズエラやイラン、台湾、北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。のべ450人以上の国内外の識者へのインタビューを連載でお届けします。 ――中国は35年には核弾頭…この記事は有料記事です。残り1412文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人牧野愛博専門記者|外交担当専門・関心分野外交、安全保障、朝鮮半島関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする









