「人間回復の橋」開通日に考える共生社会 ハンセン病療養所でシンポ2026年5月23日 9時00分北村浩貴印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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ハンセン病回復者が暮らす国立療養所「長島愛生園」(岡山県瀬戸内市)で9日、共生社会の実現をテーマにしたシンポジウムが開かれた。ハンセン病患者が長年被った人権侵害の教訓は生かされたのか。病気や障害などを抱える様々な社会的弱者がいる現代。参加者はそれぞれの立場や現状を理解し、偏見や差別の解消について考えた。ドキュメンタリー映像祭、8作品上映 朝日新聞も参加 大阪で30日 5月9日は、長島愛生園を含めた二つの療養所がある長島と、本州を結ぶ邑久(おく)長島大橋(全長185メートル)が開通した日。1930年代の開園当初から海で隔てられてきた療養所にとって、隔離からの解放を象徴する橋は「人間回復の橋」と呼ばれる。 長島愛生園の山本典良園長はこの日、「橋の開通の経緯も共生社会に向けた一歩と認識することで、その実現に貢献できる。自分事ととらえるため何が必要なのか考えてもらえる場に」と参加者に呼びかけた。 シンポでは県などの行政関係者や医療現場で働く専門家、障害がある子どもの親、福島第一原発事故に伴う放射能汚染を調査する学者らが登壇した。各領域での取り組みや経験から浮かび上がる課題などを紹介し、共生社会の実現への道筋を探った。 病院の精神保健福祉士・山川ちづるさんは「精神障害がある人たちも、周囲の無理解で生じる偏見・差別、自身の内なる偏見に苦しむ方が多い」と説明。本人同意がない強制的な入院の仕組みなども精神医療の課題と指摘し、虐待事件も起きているとして、人権意識の啓発や普及を続ける必要性を訴えた。 染色体の疾患による重度障害児の家族たちでつくる団体「HOME18岡山」の木多希子(えつこ)代表は「(子どもたちは)現代社会が忘れかけている、生きているだけで尊い命の本質を体現している」と語った。 園内で写真展を開いた際、入所者からのまなざしや「かわいい」「大切にされてこられたんだな」といった言葉に「救われた」と明かした。「愛生園で教わった共生社会とは、自分たちと違うといって排除せず、共に痛みを感じて喜びを見いだす、人間としての根源的な想像力によってのみつくられる豊かな社会だと思う」 中尾伸治・入所者自治会長は閉会にあたり、買い物先で相手が距離を置く感覚をいまだに感じると紹介。入所者や社会復帰した元患者たちは「まだまだ偏見・差別の中にいる」と話した。国の強制隔離政策が廃止されて今年で30年。「まだ、このようなことを言わなければいけないのかと思う」と述べた。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人北村浩貴岡山総局専門・関心分野地方行政、地方政治、文化財、民俗学、スポーツ関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






