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がんに関係する遺伝子(ゲノム)の変化を網羅的に調べ、それぞれに合った治療薬を探す、がんゲノム医療が広がっている。検査が保険診療になって7年が経ち、受けた患者は12万人を超えた。しかし、治療にたどり着く人は1割という現状がある。 四国地方に住む70代女性は、2年前に胆道がんが見つかった。進行して、手術ができない状態だった。 すぐに抗がん剤による治療が始まったが、一度は小さくなった腫瘍(しゅよう)は再び大きくなった。 胆道がんの治療薬は選択肢が少なく、女性の場合も、最初の治療が効かなくなると、もう治療薬がない状態だった。 そんな中、がん細胞や血液を検査に出して、数十~数百の遺伝子の変化を調べるがんゲノムプロファイリング検査(がん遺伝子パネル検査)を受けることになった。検査の結果、がん細胞の増殖に関わる「PI3K経路」の遺伝子に変化が見つかった。胆道がんでこの遺伝子変化に対応する薬はまだない。しかし、主治医から「臨床試験が横浜で行われている」と告げられた。臨床試験求め 四国から横浜へ 横浜市立大付属市民総合医療センターでは、ほかのがんで使われている既存の薬について、胆道がん患者での効果を調べる臨床試験の参加者を募っていた。がんのできる臓器が異なっても、遺伝子の変化が同じであれば、それに合った薬が効果を発揮するという、がんゲノム医療の考え方に基づくものだ。 しかし、参加するには、定期的な通院が必要だ。四国からでは通いきれない。 「やるか、やらないか」。女性の心は揺れた。 だが、家族から「可能性があ…この記事は有料記事です。残り1742文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人松本千聖くらし科学医療部専門・関心分野医療、子どもや女性の健康、子育て関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする