「美談にならない」 脳振盪から復帰した千葉ジェッツ渡辺雄太の警鐘2026年5月17日 7時00分清水優志印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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「症状が残っているのに出場することは、一切美談にならない」。バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)千葉ジェッツ(千葉J)の渡辺雄太(31)は、脳振盪(しんとう)の怖さを強い言葉で訴えた。シャンプーで吐き気、死への不安 元選手が苦しんだ脳振盪の後遺症 レギュラーシーズン最終戦、5月3日のアルティーリ千葉戦で渡辺は脳振盪に見舞われた。クラブは「Bリーグが定める段階的復帰プロトコルに従って判断する」と発表。9日のチャンピオンシップ(CS)準々決勝第1戦を欠場した。主軸を欠いた千葉Jは第1戦を落としたものの、復帰後の第2、3戦を制して群馬クレインサンダーズとの準々決勝を逆転で突破した。 復帰プロトコルを経てコートに戻った渡辺。冒頭の発言が飛び出したのは、両チーム最多24得点を挙げた15日のCS準決勝、長崎との第1戦後の会見でのことだ。脳振盪について問われると、「本当に怖いけが。絶対に治さないと出てはいけない」と語り、チームとしても復帰までの過程を徹底して管理していると明かした。 Bリーグでは2025年に脳振盪に関するハンドブックを公開しており、脳振盪が疑われた場合は即座にプレーから外し、医師による判断を経た上で、6段階の復帰プロトコルに沿って段階的に競技へ戻す仕組みを採用している。渡辺も実際に約1週間、ステップを一つずつクリアしながら復帰に至った。渡辺を辛抱強く待った千葉Jのグリーソン・ヘッドコーチは「彼は試合や練習に向けて最高の準備ができる選手だ。信頼している」と話した。 脳振盪は外見からは分かりにくく、選手自身も「プレーできる」と感じてしまうケースがある。だが、判断を誤れば症状の長期化や、競技生活に影響を及ぼしかねない後遺症を招く恐れがある。渡辺が強調したのは、その危うさだった。 「これを見て、中高生が『脳振盪でも出ていいんだ』とは絶対に思わないでほしい」。日本代表としても活躍し、育成年代が仰ぎ見るトップ選手であることを自覚するからだろう。若い選手へ向けたメッセージに、力がこもった。 試合の重要性や勝敗への責任があっても、安全が優先されるべきだという認識は、競技レベルを問わず共有される必要があるだろう。 見えにくい外傷とどう向き合うか。強行出場を称賛してきた価値観が見直される中で、渡辺の経験は、スポーツ界全体への問いかけにもなっている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






