2026年8月31日 20時20分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアするこの社説のポイント●中道が旧立憲系と旧公明系に事実上、分裂することとなった●「健全な野党」の存在は議会制民主主義に不可欠で、野党の弱体化は国会の行政監視機能を低下させる●政権への対抗軸の構築に向け、政策の一致を図り、ひとつひとつ協力を積み重ねていくほかない
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中道改革連合、立憲民主党、公明党の合流協議は、合流どころか、1月に結党したばかりの中道が7カ月余りで、旧立憲系と旧公明系に事実上分裂する事態となった。 どんな政権であっても、権力の監視と政策の問題点を指摘する「健全な野党」の存在は不可欠だ。ましてや、高市早苗首相は与党の「数の力」を頼み、国論の二分もいとわず、強引に政策を推し進めている。野党が弱体化すれば、政権の行き過ぎを抑え、多様な民意を国政に反映させるのは一層難しくなる。 中道勢力の結集は当面頓挫したが、政権への対抗軸の必要性に変わりはない。議会制民主主義を守るためにも、新たな連携のかたちを模索し、対抗軸の構築に向け、ひとつひとつ協力を積み重ねていくほかあるまい。公明単独合流案も立憲系が慎重 中道は首相の突然の衆院解散を受けて、立憲と公明の衆院議員によって結成された。参院議員と地方議員は後から合流することが想定されていたが、衆院選の惨敗を受けて機運は高まらず、3党は秋の臨時国会に新しい体制で臨めるよう、8月末までに合流協議の結論を出すとしていた。 だが、すでに立憲と公明が別々に戦うことを決めていた来春の統一地方選も見据え、立憲の地方組織から合流への反対・慎重論が噴出。立憲は合流しない方針を決めた。公明は単独でも合流の構えだったが、公明出身者の比重がさらに増すことに中道の立憲系議員が慎重で、結局、今回の分裂となった。 合流の形式論が先行し、結集の旗印となる政策づくりや、安全保障やエネルギーなど基本政策に関する意思統一が後回しになったツケが回ったともいえる。立憲は労働組合、公明は創価学会と、支持母体の異なる両党の組織文化の違いも背景にあるだろう。 秋の臨時国会では消費税減税をめぐる議論が最大のテーマになる。年末にかけて、安全保障関連3文書の改定やスパイ防止法制などの検討も進む。いずれも国会での徹底した議論が求められる。新たな政治団体設立の動きも 中道の旧立憲、旧公明勢力は衆院では統一会派を組んで、国会対応の足並みを維持する見通しだ。だが、参院の立憲、公明は統一会派には至らず、衆院側でも、先の選挙で落選した立憲出身者らが新たな政治団体をつくった。政策ごとに一致点を見いだす努力を重ねることが必要だ。 先の衆院選の比例区で、自民党の約2100万票に対し、中道は約1千万票を獲得した。これだけ多くの有権者から託された責任の重さを忘れてはならない。さまよう「中道」勢力 新党結集の「失敗」がもたらす今後の影響は「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






