ストーリー2026年8月28日 12時00分小峰健二印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
[PR]
「私はあなたを知らない、」に主演する坂口健太郎。「塩顔俳優」と分類し切れない様々な〝顔〟を見せている。 寂しそうにも、気楽そうにも見えるアパートの独り暮らしが、この人ほどしっくりくる俳優はいない。そう思わせるほど、映画の冒頭で「どこにでもいそうな青年」への変身ぶりを見せている。 演じたのは、工場勤めの夕平。身寄りのない28歳が送る代わり映えしない地味な日常が、しかし、彩りを持ち始める。社交的な紗月(堀田真由)が工場にパートとして入ってきたからだ。5歳の娘・朝子を育てるシングルマザーでもある彼女と交際を始めたことで、表情が豊かになっていく。 「笑ったり、怒ったり、泣いたり。いろんな感情の動きを表現しないといけないので一辺倒に役を認識しない方がいい」。初めて脚本を読んだときの印象だという。 朝子の保育園への送迎も担うようになった夕平には、「父親」のような感情も芽生える。だが、その気持ちが暴走したあげく朝子から遠ざけられ、母娘との復縁を迫る場面で紗月を死なせてしまう。 感情の振れ幅が極端な夕平について、こう語る。「ある意味すごくピュア。だけど愛情の放出の仕方が下手くそなんだと感じます」 映画は、事件以降、有罪判決を受け刑務所にいる夕平を、成長した朝子が訪ねてくる13年後の場面へと移っていく。なぜ母は死ぬことになったのか。朝子は、面会を重ねるなかで真相に迫っていく。 ガラス越しに向き合う面会室で、2人の心の動きが浮き上がってくる場面が山場だ。「感情は自分の中で作られる時もあるけど、やり取りの中で、共演者にもらって出てくるような瞬間がある。感情的な演技も、相手のセリフを聞いて『もらった』結果だと感じます」。迫真のやり取りには計算を超えた生々しさがある。 モデルでデビューし、恋愛もので人気を集めた彼も35歳。若くもない、かといって老けてもいない。「不安定でジャンル分けしづらい年齢であるのは確か」としつつ、「『こういう人』っていう枠からやっと外れたなっていうのはどこか思っています」と言う。 「僕で言えば『塩顔俳優』。今はそういう『○○俳優』の○○がやっとなくなったという感覚が少しあるかも」。まさに今作では、何にも分類し切れない多面的な顔を見せてくれている。 さかぐち・けんたろう 1991年生まれ、東京都出身。モデルとして活躍し、2014年に俳優デビュー。主な出演作に「君と100回目の恋」「余命10年」「盤上の向日葵(ひまわり)」など。「私はあなたを知らない、」(中野量太監督)は28日公開。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
【この記事の続きが読める】有料記事が読み放題のスタンダードコースが初回1カ月無料!詳しくはこちら宅配紙面の購読者なら、ダブルコース半年割がお得です。詳しくはこちら






