第3回「もう少し待ってて」人生の希望だった学校犬スーへ 私からの恩返し大坪実佳子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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「死にたい」と思い詰め、中学生のとき、教室に入れなくなった。そんな原万織(まおり)さん(21)の救いになったのは、1匹の犬との出会いだった。 いま思うと、思春期にありがちな悩みだったかもしれない。でも、親や友人関係のあつれき、学業や部活でのプレッシャーを強く感じていた。 眠れない。 食事が取れない。 そんな心身の不調が学校であふれた。 体調を崩しがちになり、中学2年になってまもなく、教室で倒れた。過呼吸だった。 バスケットボール部副キャプテンだった自分は「元気で明るく、はつらつとしていた」のに――。 みんなに、こんな姿を見られたくない。 教室から足が遠のき、やむなく登校後は、校内の個室に通った。 部活にも行けなくなり、退部した。 「スーちゃんっていう犬もいるし、隣の部屋に荷物を置きにでもおいでよ」 生徒指導の担当教員だった青木潤一さん(42)からそう声をかけられたのは、1週間くらい経ったころだっただろうか。 隣には、不登校の生徒や心身の不調を抱えた生徒をサポートする部屋があった。 なんで学校に犬がいるんだろう? 一瞬そう思ったが、大きな転機となった。 ラブラドルレトリバーの「スー」は、その部屋にしっかりなじんでいた。授業時間に、一緒に遊んで、校内の芝生広場を散歩した。まるで家の一角にいるように、不思議と気持ちが安らいだ。 早朝に学校に行き、青木さんと、青木さんが家で飼っているスーが一緒に出勤するのを待ちわびるようになった。 夏休みには、「お世話」と称して毎日登校。ホースで水をまいて、一緒に水遊びした。タブレット端末で子守歌を検索し、一緒に聴きながら、スーを枕に昼寝した。 親や先生、友達のこと。悩んでいることを全部、スーに話しかけた。昼寝しているのを無理やり揺り起こして、聞いてもらう日もあった。スーは面倒くさそうな顔をするけど、決して怒らなかった。 「どうしたらいいのかな」記者サロン「学校に犬がいるということ」 視聴申し込みはこちらから つぶやいても、返事はかえっ…この記事は有料記事です。残り869文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人大坪実佳子文化部 be編集部専門・関心分野人権、平和、子ども、文化、食関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする