ストーリー中島隆印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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現場へ! 「最期はおうちで」の病院(2) 東京にある「その病院」の医師、野口智子(34)は、昨年夏、80代の男性をみることになった。 男性は元医師。末期の大腸がんで、肝硬変もわずらう。家で酒を飲んでは倒れて入院。退院しても、再び家で酒を飲んで倒れる。そのくり返しに、妻は悩んでいた。 入院先の医師は「もう家には帰せない」と診断。だが、男性は家に帰りたがった。妻も「帰してあげたい」と言っていた。そして、「その病院」に連絡があり、野口が担当になったのだ。 「その病院」での入院生活がはじまる。男性は医師として、多くの命を救ってきた。だから、自分はそう長くないと分かっているようだ。いつも言っていた。 「家に帰るぞ」 「明日、帰るぞ」 野口は病院スタッフ、地域の訪問看護師、ケアマネらと、男性のこれからを話し合った。みんな悩んでいた。「世話にはならん」 「お風呂にいれる準備をして家を訪ねても、『おまえたちの世話にはならん』と拒否するんです」 「家に帰しても酒を飲んで、また入院すると思う」 「本人に気づいてほしいんですが……」 野口は、動物好きの少女だった。インコやハムスターを飼った。小学生のときに母が入院。医師になりたいと思い、その思いを貫いて消化器内科の医師になった。 慶応義塾大学病院で働いた。難病の患者さんがやってくる「ラストホープ」な姿。医学の発展に貢献しようという姿勢。なくてはならない病院だ。 ただ、野口は思った。 わたしは患者さんひとりひとりに寄り添いたい。 そんな話を上司にしたら、「ぴったりの病院があるよ」と言われた。「その病院」のことだった。見学させてもらうことになった。 東京の北西部、板橋区にある。駅から住宅街を歩くこと10分足らず。5階建ての建物が、「その病院」だった。 中に入ると、スタッフたちが…この記事は有料記事です。残り693文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人中島隆編集委員専門・関心分野中小企業関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






