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鍛え上げた肉体とは裏腹に、人に声を上げて怒ったことは生まれてから30年あまり、一度もないという。そんなお笑い芸人の青木マッチョが、ドラマで「怒る」ことに挑んだ。 24日から始まる夜ドラ「税金で買った本」(NHK、月~木曜午後10時45分)で演じるのは、本の弁償や修理を担当する図書館員。 青木は、7月にNHKで開かれた取材会に主演の奥平大兼、西野七瀬と出席した。「連ドラの3番手の話が僕に来るとは思っていませんでした。僕も(所属する)吉本興業も、びっくりしました」 お笑いコンビ「かけおち」のメンバーで、元消防士の人気芸人。今春放送の「時すでにおスシ!?」に出演するなど活動の幅を広げている。 俳優の仕事には以前から関心があったという。「人より体が大きいので、自分にしかできないことがあるんじゃないかと思っていた」 ただ、いざカメラの前に立つと、監督から毎回のように同じ指摘を受けた。 「最初に演じると、絶対に『青木君、暗い』と言われるんです。本当に暗いんだなと実感しました」「全てにおびえていた」 撮影当初の青木を、共演する西野は「全てにおびえていた」と明かす。「こんなに大きい体なのに、私が少し声をかけただけで、びっくりする。ただ、段々仲良くなれて、青木さんはめちゃくちゃ優しい方なので平和な現場になったんだと思います」 ドラマ「税金で買った本」は、ずいの(原作)と系山冏(けいやまけい)(漫画)による、図書館を舞台にした同名のお仕事漫画を実写化した。 ヤンキー高校生・石平紀一(奥平)が、10年ぶりに訪れた図書館で、かつて借りた本を返していないと指摘される。ひょんなことから働き始め、個性的な職員や利用者との出会いを通じて、図書館の仕事と「知ること」の面白さに触れていく。 青木が演じるのは、本の弁償や修理を担当する図書館員・白井里雪。本と図書館を守るため日々筋力トレーニングに励むが、感情の起伏が激しい人物だ。 「感情の動きがジェットコースターのようで、現実世界では絶対にありえない」。30年あまり生きてきて、「声を上げて怒ったことが一度もなかったんです。まず、人に怒るところから始まりました」。 ただ、白井とは重なる部分もあった。元々は細くておとなしい性格の白井は「強そうな人間になれば利用者からなめられず、図書館の平和を守れるのでは?」という発想で筋トレを始めた。自身も不良に絡まれたくないという理由で筋トレをを始めていて、よく似ているという。 「白井も怒り慣れていないだろうなと思いました。原作ほど激しく怒っているかは分かりませんが、『怒り慣れていない人が、一生懸命怒っている』という表現にはなったのかな」 実は青木自身、趣味が読書で本好きだ。きっかけは、小学低学年の時に読んだ山田悠介の「リアル鬼ごっこ」。「周りには本を読んでいる子が全然いなかったんですけど、そこから楽しいなと思うようになった」 いまは電子書籍を活用し、移動中には必ず本を読む。一方、今回の出演を通して紙の本の良さも大切にしたいと改めて感じたという。 役作りでは、図書館の仕事について学んだが、とりわけ、多くの非正規職員が働いていることが印象に残っている。役の白井も非正規職員だ。「非正規の待遇でも、多くの仕事を担っている人たちがいると知ることができた。働く人たちが嫌な気持ちにならない使い方を、少しでも心がけたいと思うようになりました」 図書館は誰もが知る存在だが、撮影を通して幅広い役割を知った。 「本を借りることは、図書館の役割の一部に過ぎません。このドラマを見れば、図書館に興味を持ってもらえると言い切れる。分からないことがあれば、AIやネットで調べられる時代ですが、図書館で調べてみよう、足を運んでみようと思うきっかけになれば」