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読書離れが指摘される一方、オーディオブックや電子書籍の利用が広がり、「読む」は多様化しています。障害の有無や年齢、言語の壁を越えて、誰もが本にアクセスできる環境づくりとは。「読書バリアフリー」に長年取り組んできた編集者・ライターの成松一郎さんは「読めない、読みにくいのは、あなたのせいではない」と語ります。AI時代の読書のアクセシビリティーをめぐる可能性と課題について、聞きました。AI時代に、読むこと、問うこと、考えることとは――。書店や出版の危機が高まる一方、読書のあり方は多様化し、新たな動きも注目されています。AI・要約・映像の時代に「読む」はどう変化していくのか、インタビューシリーズで探ります。Re:Ron特集「AI時代に何を読む?」成松一郎さん記事のポイント・社会で意識 より多くの人に関わるテーマに・AIでできることが増えたけれど…・「福祉の問題」として考えるべきではない・「電子書籍さえあればいい」ではない・自分に合った読み方や道具を選べる社会に■社会で意識 より多くの人に関わるテーマに ――読書バリアフリーの現在地について、どう見ていますか? 読書バリアフリーという考え方が広がりつつある背景には、インクルーシブやダイバーシティーへの関心の高まりがあります。 小説家・市川沙央さんが『ハンチバック』で芥川賞を受賞したり、医学書院のシリーズ書籍『ケアをひらく』などでのさまざまな障害当事者による発信もあったりして、見えにくかった人たちの存在が社会の中で意識されるようになりました。「みんなが同じような本を読むわけではない」「同じ読み方をするわけではない」ということが知られるようになり、少しずつ世の中が変わってきました。 超高齢社会も大きな要因だと思います。 若い頃は忙しくて本を読む時間がなかった人が、いざ時間ができて「ゆっくり読書を楽しもう」というとき、視力の低下などで本が読みにくくなっているケースが少なくありません。また、教育現場において、学習障害、とりわけディスレクシアへの理解も進み、文字を読むことに困難を抱える子どもたちが少なくないことも認識されるようになりました。 読書バリアフリーというと、これまでは視覚障害者向けの取り組みというイメージが強く、おもにそれをボランティアや点字図書館が担ってきた歴史がありました。けれど、いまは高齢者、学習障害のある人、肢体に不自由のある人、知的な障害のある人、日本語が母語でない外国ルーツの人など、より多くの人に関わるテーマになっています。 ――オーディオブックや電子書籍なども身近になりました。 やっと需要に供給が追いついてきたんだと思います。以前は音声による書籍といえばカセットテープやCDに収録する必要があり、録音時間が限られていました。また、電子書籍も専門のプレーヤーが必要なため、思うように普及しませんでした。 しかも、販売されているのは、話題になっている著者の小説やエッセーに限られていました。 「読書の自由」という言葉がありますが、売れている本には読む手段に多様性があり、マイナーな本には選択肢が用意されていない、というのはおかしいと思いませんか? 読みたい本は、人によってさまざまなのですから。 インターネットやスマートフォンの普及、通信環境の向上によって、読書のかたちは大きく変わりました。定額制のサービスもあり、気軽に利用できるようになってきています。 文字で読むのが好きな人もいれば、音で聴くほうが楽な人もいます。大切なのは、どちらか一方ではなく、自分に合った方法を選べること。読書バリアフリーの本質も、そこにあると思います。■AIでできることが増えたけれど… ――AIは「読む」ことをどう変えていますか? スマホを中心に、いろいろな…






