深掘り元王者の弟に残った後遺症 「防げた事故かも」介護した兄が思うこと塩谷耕吾印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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昨年5月、元世界王者の重岡銀次朗さん(26)が試合後に意識を失い、緊急手術を受けた。一命をとりとめたものの、重い後遺症が残った。 同じく元世界王者で兄の重岡優大さん(29)は、弟の事故をきっかけに現役を引退。兄弟は郷里の熊本に帰った。 熊本県を震源地とした地震が起こる3日前、優大さんが経営する熊本市内のカフェ「Shinonome coffee(シノノメコーヒー)」を訪ねた。 2023年末以降、国内ボクシング界では重大事故が続いた。昨年8月2日のプロ興行では2人が「リング禍」の悲劇に遭った。あれから1年。事故の「当事者」になった人たちに思いを聞いた。 カウンターに立つ優大さんは、穏やかな表情だった。 自家焙煎(ばいせん)した豆で、丁寧にコーヒーをいれてくれた。 キッチンを整理整頓しながら接客し、自家製のベーグルを焼く。 その数日前には銀次朗さんが訪れ、数時間、カフェで過ごしたという。 「僕は、後悔はしないですよ。後悔しても時間は戻らない。ほかにやることがたくさんある」と優大さん。 ただ、「あの日」を振り返ると、ふいにとがった感情が浮かぶ。 「あの日は、いつもと明確に違うことがあった」 昨年5月24日、大阪市内での興行で、銀次朗さんは世界戦のリングに上がった。 国際ボクシング連盟(IBF)ミニマム級王者ペドロ・タドゥラン(フィリピン)との再戦。タドゥランにはその前の試合で敗れ、ベルトを奪われていた。相次ぐリング禍に、井上尚弥の父が思うこと 隠せない「親の気持ち」 いつもはセコンドにつく優大さんだが、この日は諸事情でリングサイドの席で応援していた。 試合は激しい打ち合いになり、勝負は判定に持ち込まれた。 最終12回が終わると、優大さんはリング上に駆け上がった。 銀次朗さんの意識はもうろうとしていた。「もう終わったの?」と言った言葉は耳を離れない。 「12ラウンド戦ったことも…この記事は有料記事です。残り1571文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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