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1万分の1ミリに宿る輝きに、危機が迫る。神社仏閣や家庭の仏壇、漆器などを彩る金箔(きんぱく)の生産地が2025年に国内でただ一つとなった。そう明かす地元の組合は、金価格高騰の中で生き残りを模索している。 金箔づくりには、10円玉ほどの合金を畳1枚分にまで延ばす職人技が求められる。 工房が集まるのは、金沢市の国道8号沿いにある「箔団地」と呼ばれる一角。極限の薄さにする箔打ち職人らが、ドンドンドンと重い音を立てる機械と向き合っていた。 手元にあるのは、金箔にはまだ遠い「澄(ずみ)」と呼ばれる1千分の1ミリほどの厚さのもの。この澄をグラシン紙に1枚ずつ挟み、約2千枚の束にして機械で打ち延ばす。打つごとに束が熱を帯びていく。 全体の厚みが均一になるように。束の向きを調整し、束の順を入れ替える。「手先から感じる熱を頼りに見極めています」。箔打ち職人の河越貴之さん(46)はそう話す。 ひと束の「澄」を金箔の薄さにするには、半日以上がかかるという。さらに端を切り落として約11センチ四方にし、完成だ。 金沢でつくられる「金沢箔」の歴史は古い――。金沢市立安江金箔工芸館の川上明孝館長(75)が歴史をひもとく。 安土桃山時代の文禄2(1593)年、加賀藩祖の前田利家が領内で金箔をつくるよう命じた書状が確認されているという。 だが、江戸時代になると元禄…この記事は有料記事です。残り1042文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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