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意外な題材の缶バッジが買える「ガチャガチャ」が、SNS上でにわかに脚光を浴びています。テーマは、日本国憲法です。お堅い内容と捉えられそうですが、どうして関心の的になったのでしょうか。開発した企業に、受け止めを聞きました。「お目当ての条文」引きたくなる話題を呼んでいるのは、「憲法ガチャ」です。直径約58ミリの円形缶バッジに、戦争放棄をうたった第9条、生存権を定めた第25条など18の条文と、前文を合わせた、合計19の日本国憲法の文章を掲載しています。加えて、平和の象徴とされるオリーブの葉や実に、憲法第9条に着想した数字「9」と「NO WAR」の英文を添えた、色違いのイラスト入りロゴ4種類も。合計で23種類の柄を数えます。料金は1回300円です。6月中旬、X(旧ツイッター)上で販売機の画像がポストされ、幅広く注目を集めました。「めっちゃ回したい」「お目当ての条文を引くまでやっちゃいそう」。投稿を目にした人々からは、そうした感想が相次いでいます。バズったのは全くの予想外「バズったのは全くの予想外。大変なことになったと思いました」「憲法ガチャ」を開発したきかんし(東京都江東区)の担当者の1人が話します。きかんしでは、主に新聞印刷などを請け負っています。ガチャを企画したのは、5人の社員からなる「憲法プロジェクトチーム(PT)」です。1年ほど前から、商品化に向けて議論を重ねてきました。日本国憲法をめぐっては、2026年4月の自民党大会で、高市早苗首相が党総裁として、改正を念頭に「時は来た」と発言しました。最近も連日、改憲の是非に関するニュースが報じられています。こうした中、憲法PTメンバーは、改憲反対の国会前デモに参加。当日、現場で一緒になった人同士で、憲法第9条を読み上げる場面があったそうです。PTのデザイン担当者は「スマートフォンなどで条文を調べる人もいて、身近なものにプリントしてあることが重要だと思いました」と言います。そして、のぼりや新聞などの案も検討した末、身の回りの物品につけられる缶バッジのアイデアを採用しました。平和運動を「ポップ」にする工夫缶バッジの見た目を考える上で心を砕いたのが、「平和運動をポップにする」ことです。当初から、推し活用の「痛バ」(推しがモチーフのグッズで飾り付けたバッグ)に使えるようにしたいとの思いがあったといいます。最初に仕上がった意匠は、憲法第9条由来のロゴでした。デザイン担当者が語ります。「個人的に、平和をテーマとしたイラストなどを描いてきた経緯から、手がけました。このロゴが社内で高評価を得たため、条文の背景にもオリーブの絵を配置しました」肝となる条文を選ぶにあたり、全103条の記述を精査。ネット上での人気が高いものを中心に、グッズとして持ち歩いたときの楽しさもイメージしつつ、吟味していったそうです。憲法PTメンバーにとって、選定作業は得がたい経験となりました。それまで知らなかった条文に触れ、憲法の持つ価値を再確認できたといいます。そしてテキストは、条文の番号を、サイズと場所を統一して印刷しました。その下に本文をあしらう形としています。本文は、長さによって文字が大小さまざまです。デザイン担当者によると、あえて見た目の違いを許容したといいます。「バッジを並べたとき、遠目では全部同じ内容と思えます。でも近くで確かめると、それぞれ違う文章が載っているのに気づく。視覚的なギャップを生み出せると思ったんです」電話で突如もたらされた一報完成後の2026年5月下旬、全労連会館(東京都文京区)の1階ロビーに、缶バッジの販売機1台が登場しました。初回生産でおよそ50枚を用意し、あくまで試験的なお披露目でした。ところが、X上で商品画像が拡散された当日、すぐさま完売してしまいます。憲法PTメンバーは、販売機の設置場所を尋ねる電話がオフィスにかかってきたことで、盛況ぶりを知りました。「一報を聞いた当日に、公式サイト上で商品情報を告知したり、広報用のXアカウントを急ごしらえしたりと、てんやわんやでしたね」。メンバーの1人が振り返ります。SNS経由で認知が広がり、予想外の状況も生まれました。友人同士で遠方から東京に観光しに来た人々や、アーティストのライブ参加客などが、お土産として購入するようになったのです。ネット上には、お気に入りの条文が書かれたバッジを交換したという感想も。そのほか、親子で買い求め、缶バッジ上の条文について語らったとする投稿があったそうです。好評を博したことから、2026年6月下旬に販売機を追加し、2台体制としました。これから設置場所を拡大するとともに、掲載する条文の種類を増やす方針といいます。憲法PTでは、日本国憲法の条文の人気投票も実施。「#推し憲法の話をしよう」のハッシュタグをつけ、X上で関連情報を報告するなどしています。投票結果は今後、「憲法ガチャ」にまつわるグッズの製作に活用するとのことです。今回の商品が広く受け入れられた点について、PTメンバーの1人は次のように話しました。「皆様にご愛顧いただき、とてもありがたく、感動しています。遊びながら、憲法の条文とランダムに出会う楽しさや、それぞれの言葉が持つ力強さ、格調高さを感じてくださればうれしいです」ニュースが身近になるメディア「withnews」https://www.asahi.com/withnewsTikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@withnewsYouTubeアカウント:https://www.youtube.com/@withnewschannel