そろいの動作で意識集中、吹奏楽コンクールの舞台へ 都立保谷高校2026年8月8日 7時00分河原田慎一印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする【動画】東京都立保谷高校では練習や本番の前にラグビー・ニュージーランド代表が踊る「ハカ」にならった「キメ」と呼ぶ儀式をして集中力を高める=河原田慎一撮影

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10日に開幕する東京都高校吹奏楽コンクール(都高校吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)に出場する保谷高校吹奏楽部には、練習や本番の演奏前に必ずする「儀式」がある。 「集中」 音楽室で、31人の部員が手をつなぐ。 全員が腕を動かし、足を蹴り出すザッザッという音が響く。 「ウィーアーHSB、行くぞ、オー!」 人さし指を出した手を垂直にスッと上げると、みんなの表情が引き締まった。 部員たちは、この儀式を「キメ」と呼ぶ。 ラグビーのニュージーランド代表による「ハカ」と呼ばれる踊りにならい、3年生の幹部部員たちが考えた。ゆるい部活、でも「コンクールに出たい」 2年前に赴任した顧問教諭の神山耕平さん(40)によると、吹奏楽部には「ほんわかした」空気が漂っている。それはそれで良いことだが、赴任した当初は、コンクールで賞を目指して頑張りたい生徒と、ゆるく楽しみたい生徒の間の「温度差」もあったという。 赴任と同じ年に入学した今の3年生13人のうち、高校で楽器が変わった部員も含めると10人が初心者だ。副部長でテナーサックスの宮崎来海(くるみ)さんも、新入生歓迎会で聴いたテナーサックスの音色にひかれて入部。一生懸命練習したが、最初の夏のコンクールは出演人数が35人以内の東日本部門で、舞台に立つことはできなかった。 もう一人の副部長でクラリネットの荒木真帆さんも初心者で、コンクール当日は裏方で支えるスタッフだった。 仲間が奏でる音楽を舞台袖で聴いていると、涙が出た。「来年は絶対、コンクールの舞台で吹いてやるぞ」地域に愛されるシンフォニックバンドに 2025年からコンクールで指揮した神山さんは、部員全員がB部門(35人以内)とC部門(20人以内)のいずれかで、コンクールの舞台に立てるようにした。「やるぞ」という気持ちが、部員の間にだんだん広がっていった。そうして昨夏にできたのが、部長の柄沢里音さんを中心に振り付けを考えた「キメ」だった。 本気なのはコンクールだけではない。よりシンフォニックな響きのある吹奏楽団になろうと、国内トップクラスの実力がある関西の大学の吹奏楽団にならい、「保谷シンフォニックバンド(HSB)」という名前で活動を始めた。 高齢者施設やショッピングモールなどで年間30回ほど演奏し、地域で親しまれるバンドになってきた。アンコール曲の後にキメをすると、お客さんは大喜びだ。 HSBのコンクール本番は、B組が13日、C組が15日。本番前のチューニング室での「キメ」で、部員の心に火を付けて舞台に臨むつもりだ。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません