2026年8月7日 11時30分川村貴大印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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大阪の夏の夜を彩る「大阪薪能(たきぎのう)」(主催=能楽協会大阪支部、大阪薪能委員会)が今年、70回目の節目を迎える。大阪市天王寺区の生國魂(いくたま)神社の境内で8月11、12日に開かれる薪能の2日目には、50回目を記念して制作された能「生國魂」が10年ぶりに上演される。 「空襲で傷ついた大阪の人々の心に、活力や文化的な潤いを取り戻そうという『精神的な復興のシンボル』として、大阪薪能は育まれてきた」。島田昌建(まさたけ)・大阪薪能委員会委員長は、催しの歩みをそう説明する。 太平洋戦争の空襲と、戦後の記録的な風水害に相次いで見舞われた生國魂神社の社殿が再建された1956年、神前に祝いの能が奉納された。大阪の市民から好評を集め、翌57年には第1回の大阪薪能が催された。それ以来、薪能は地元の企業や行政の支援を受けながら、夏の風物詩として愛されてきた。 大阪薪能委員会の室谷勝弘・副委員長は創業100年超の服飾副資材の卸会社を経営する。「今も変わらず大阪を活気づけたいという気持ちで、大阪の企業を中心に、誰かにやらされるのではなく、自分たちで手作りでやっている」と話す。 能楽師たちにとっても貴重な場になっている。 薪能に出演して約40年になるという観世流シテ方の赤松禎友(よしとも)さんは「大先輩の時代から受け継がれてきた薪能が70回目を迎えられる喜びが大きい。次の世代につなげられるよう頑張りたい」と語る。 今年の目玉は10年ぶりに披露される能「生國魂」だ。平安~鎌倉時代に新天皇の即位の翌年に難波の浦で催されたとされる「八十島(やそしま)祭」という儀礼の様子を描く。「(天皇の勅使の女官が)海に向かって帝(みかど)の御衣(着衣)を振り動かす所作が大きな見どころの一つ」と赤松さんは言う。 能楽協会大阪支部長の成田達志さん(幸流小鼓方)は「能楽は元々、野外で演じられていたものなので、薪能では能の創成期の風情が味わえる。普段は能をご覧にならない方にも、夕涼みがてら楽しんでいただけたら」と語る。 大阪薪能は8月11、12日とも午後5時半開演、午後8時45分ごろ終了予定。両日とも能と狂言を一番ずつ上演した後、火入れ式がある。入場料は各日前売り3500円、当日4千円、学生2千円。問い合わせは生國魂神社(06・6771・0002)。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人川村貴大文化部|伝統芸能・演芸担当専門・関心分野伝統芸能・演芸、お笑い、教育関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする