お膳立てしたかのような最終戦 「囲碁界の一番熱い日」死闘の結末大出公二 佐藤圭司 川村貴大印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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囲碁の第51期名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は7月27日、最終一斉対局が打たれた。優勝をかけた直接対決に、負けたほうが陥落の鬼勝負。 「囲碁界の一番熱い日」は数々のドラマを生んできた。今期はあたかも前もってお膳立てしたかのようなカードが組まれていた。 東京の日本棋院本院で打たれた芝野虎丸棋聖VS.許家元九段は、首位の芝野が勝てばリーグ優勝、星一つ差で追う2位の許が勝てばプレーオフに持ち込まれる大一番となった。ともに名うての剛腕の持ち主だが、慎重に間合いを測り、なかなか剣を抜かない。 実戦図1 許の黒1から局面が急変した。芝野の白2は絶対。下辺の白を救出すると同時に、右下の白地を拡大する。その見返りを、許は左下の黒3に求めた。 敵陣深く潜行し、白の一団を浮足立たせようとする強手だが、誤算があったか。 白4以下14まで、隅の黒石2個が白陣に置き去りにされてはいけない。ここで白に形勢が傾いた。 黒1では参考図黒1のほうが嫌だったと芝野。白2に黒3以下11まで中央に黒地をまとめにかかる。「これで難しい。まだまだ勝負だと思います」と芝野。 勝負手の空振りに落胆したか。許は40手後、午後6時58分に投了。早い終局だった。 一力、芝野とともに令和三羽ガラスと称されながら、七番勝負の出場がない。「きょうの碁は力が入りすぎました。実力は出せたと思います」。本心ではないだろう。特長の深い読みは水面下に潜ったまま、盤上に表れなかった。来期は序列2位で再出発する。 芝野は令和の名人戦男といえる。名人3期。2019年、19歳で史上最年少名人になって以来、七番勝負の出場は8期中7期を占める。 「挑戦は意識していませんでした。自分の場合、何も考えないほうが碁の内容がいい」。一力には3月の棋聖戦で、6度目の番勝負にして初めて勝った。名人戦でも失冠した前々期、返り討ちにされた前期の借りを返せるか。「いやあ……特には」。気負いなく8月開幕の番勝負に臨む。もう一つの大一番 芝野の挑戦が決まったあとも、大阪の日本棋院関西総本部では井山裕太碁聖VS.福岡航太朗本因坊のタイトルホルダー同士の戦いが続いていた。 名人8期の井山は、07年に…この記事は有料記事です。残り1417文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人大出公二文化部|囲碁担当専門・関心分野囲碁佐藤圭司文化部|将棋担当・大阪駐在専門・関心分野将棋・ポップ音楽関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする