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いじめや不登校など、子どもたちが直面する問題が深刻化する中、東京都は学校の居心地を向上させる取り組みを始めた。科学的な知見を生かしたという、新たな試みの現場を取材した。まなviva!(学び場)幼い子どもから、人生のベテランまで。日々の暮らしの中に、学びは満ちています。「学ぶ」をとりまく最新事情を伝えます。生徒のアイデアで屋上を開放 「わー涼しい!」「風が気持ちいい」 東京都調布市立第四中学校の屋上に生徒ら数十人が一斉に出てきた。5月中旬の昼休み、晴天のなか初めて屋上が開放された。生徒らはレジャーシートに集まって話をしたり、車座になってゲームを始めたり。学校環境を改善して生徒のメンタルヘルス問題の予防を目指す、都の「学校の居心地向上検証プロジェクト」の一環だ。 文部科学省が昨年10月に公表した調査結果によると、全国の不登校の小中学生は、2024年度は過去最多の35万3970人で、12年連続で増加。いじめは、小中高校と特別支援学校で計76万9022件、暴力行為は小中高校で計12万8859件で、いずれも過去最多だった。カギを握るのは外部のコーディネーター 都はこれまで、都内の全公立学校にスクールカウンセラーを配置するなど個別の支援策を進めてきた。一方で、問題を予防するには学校環境の改善が重要だとして、都医学総合研究所(医学研)と連携し、プロジェクトを始めた。24年度にモデル事業として始まり、現在は公立中や都立高など一部の学校で展開されている。 プロジェクトは、①生徒に学校風土に関するアンケートを実施②医学研がアンケート結果を数値化し、伸びしろがある分野を学校に提示③生徒や教職員らがチームで居心地向上に向けた計画を作る④学校全体を巻き込みながら実際に活動する、という流れで進む。 カギを握るのは、生徒のニーズをすくい上げ、教職員との橋渡し役となる、外部のコーディネーターの存在だ。 調布市立第四中では、世田谷区で若者支援に取り組むユースワーカーの井上寿純さん(29)が有志の生徒十数人と活動を始めた。井上さんは「ここで誰が何を話したかは秘密にするので安心して」と伝えた上で、生徒が学校に何を求めているのか、率直な思いを聞いた。 「荷物が重たい」「自転車通学したい」という声に交じって、「昼休みや放課後に自由に遊べる場所がほしい」と、居場所についての要望もあった。同校は校舎の建て替え工事で校庭に立ち入れない状態が続いている。井上さんは、生徒たちのニーズを教員と調整し、屋上開放イベントにつなげた。 活動に参加する生徒らも当日、レジャーシートを敷くなど運営に協力。その一人の伊藤舞音さん(2年)は「学校に行きたくなるようなことができたらかっこいいなと思って活動に参加した」といい、「みんな楽しそうにしていて、新しい居場所になったかも」と笑顔を見せた。2月のテスト期間には、生徒の要望を受けて図書室の開室時間が延長された。高橋咲奈さん(2年)は「自分たちが出した意見が実現するとうれしいし、どんどんできることも増えている実感がある」と話した。意見表明のハードル「いかに下げるか」 校内には、学校がより過ごし…この記事は有料記事です。残り1854文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人浅沼愛ネットワーク報道本部|都庁担当専門・関心分野都政、政治資金、福祉、教育関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






