大西英正印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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多くの人が利用する地下施設について、法律で義務づけられた水害の避難計画を作成しているのは全国で約9割、避難訓練を行っているのは4分の3程度だったことが、国土交通省が公表したデータで明らかになった。局地的な大雨で地下施設が水没する恐れがあるなか、専門家からは対策の実効性に懸念の声も上がっている。水没する地下駐車場、間一髪の脱出 洪水や津波による被害から守るために設けられた水防法は、市町村がそれぞれの地域防災計画に、不特定多数が利用する地下施設を「地下街等」として指定するよう定めている。国交省は指定の参考に、延べ床面積が1千平方メートルの地下街や、50台以上の車を収容する地下駐車場などを例示している。法律で義務づけられた計画と訓練 指定された地下施設の管理者は、避難確保計画と浸水防止計画を作成し、訓練を行う必要がある。 国交省は毎年、全国の状況を公表している。今年7月15日に公開された国交省のデータによると、2026年3月末時点で、「地下街等」に指定された場所は全国に942あった。東京都内が289に上るなど、多くは大都市に集中している。 このうち計画を作成していたのは858で、全体の91%だった。今回は初めて訓練の実施の有無も公表し、それによると訓練を行ったことがあるのは76%にあたる716施設にとどまった。 地下施設をめぐっては、25年9月12日、三重県四日市市で観測史上最大となる1時間123.5ミリの雨が降り、市中心部に位置する地下駐車場「くすの木パーキング」が浸水。274台の車両が被災した。専門家「市町村長への報告、ルール化を」 浸水するなかで危機一髪、逃れる様子を収めたドライブレコーダーの映像も話題になった。 この駐車場は市が水防法の「地下街等」に定めている。駐車場では危機の想定や訓練が不十分だったことが、その後の検証で明らかになっている。 訓練の実施率が低いことについて、6月まで土木学会会長を務めた池内幸司・東大名誉教授(河川工学)は、市町村への報告義務がないことが背景にあるとみる。社会福祉施設や学校といった災害時に配慮が必要な人たちが利用する「要配慮者利用施設」は報告が規定されており、「地下施設でも訓練の実施結果を市町村長に報告するよう管理者に義務付け、報告を受けた市町村長は必要な助言や勧告を行えるようにする仕組みづくりが必要だ」と指摘する。 計画の実効性にも課題があるとする。国交省が公表している計画と訓練のデータは、ひとたび作成したり実施したりすれば「済」となり、その後の運用は管理者などに委ねられているのが現状だ。 池内氏は「訓練を通じて明らかになった課題や改善点を把握し、その結果を計画の見直しや更新につなげることが、計画の実効性を高める上で最も重要だ」としたうえで、「激甚化・頻発化する水害に対応できる内容になっているかも含め、多くの目で継続的に検証していく必要がある」と話す。全国2番目の規模 ヤエチカの取り組みは 局地的な豪雨が頻発するなか…この記事は有料記事です。残り1794文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






