現場からはみ出す若者の挑戦と失敗受け入れる 社会増続く市の大人の意識改革羽賀和紀印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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■8がけ社会 足りないのは人なのか(4)=完 パンチパーマ発祥の地とされ、多くの任俠(にんきょう)映画の舞台にもなった北九州市。玄関口のJR小倉駅から10分ほど歩いたところに、バー「コットンダンサー」がある。 薄暗い店内では、あたたかみのあるオレンジの灯が目にとまる。カウンターの天板の傷が店の歴史を物語る。 1981年にオープンし、音楽やアート、ファッションなどを語る人たちが夜な夜な酒杯を重ねてきた。しかし、コロナ禍で客足が遠のくと、2024年末に閉店した。 その店を枝光比菜乃さん(30)が昨年6月に再び開けた。「みんなで語り合える場が、この街には必要だった」「距離感がちょうどいい」 市内で生まれ育ち、北九州市立大学で学んだ。東京での生活を思い描いた時もあったが、いまは地元を離れる気はない。 「自分がやりたいことに挑戦できて、困ったときには街の顔役に相談できる距離感。私にはこの街の規模がちょうどいい」 昔から、地元ではちょっとした有名人だった。新シリーズ「8がけ社会 足りないのは人なのか」 足りないのは「人」なのか。働きたいのに働けない。技術を生かせず細る現場。若者が来ないのではなく、受け入れる価値観が追いつかない。必要なのは仕組みの更新ではないのか――。「当たり前」を問い直す現場から、人手不足の向き合い方を考えます。長期連載「8がけ社会」とは 超人手不足の未来へ解決のヒントを探る 大学の入学式では、新入生を代表してあいさつに立った。まちづくりを実地で学ぼうと加わった社団法人のメンバーとして、市に地域活性化策を提案したこともある。自身は、クラウドファンディングで集めた資金を元に自転車愛好家が集うサイクルステーションや、缶詰をアテに杯を交わす屋台の運営を手がけた。 学年が進むにつれて、周りの友人は就職活動を始めたが、組織にしばられる人生は思い描けなかった。あこがれる大人を訪ね歩き、将来を考えたが、答えは見つからなかった。 少し視野を広げたいと、大学4年時に渡ったアメリカ・ポートランドで目にしたスローガンが人生を決定づけた。米国で学んだ価値観 「Keep Portland Weird」 街の至る所で目にした標語の…この記事は有料記事です。残り1444文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人羽賀和紀水戸総局専門・関心分野地方自治・人口問題/海洋文化関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする