現場から地域で埋もれるキャリアと能力 活躍と成長の場がないなら私が作る寺沢知海印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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■8がけ社会 足りないのは人なのか(1) 学校が春休みに入った3月下旬、福島県郡山市の住宅街にある株式会社「ケイリーパートナーズ」のオフィスでは、にぎやかに遊ぶ小学生と幼稚園児の姉妹を横目に、母親の女性がパソコン作業をしていた。 「私が見ているよ」。仕事で手が離せない女性に、同僚が子どもの相手を買って出た。 「こんにちは」。午後2時出社の社員が、元気いっぱいに姿を見せた。 人手不足に悩む地元企業から、経理や広報といったバックオフィス業務を請け負うケイリーパートナーズは、一般的な人材派遣業のように見えて、内実は大きく違う。新シリーズ「8がけ社会 足りないのは人なのか」 足りないのは「人」なのか。働きたいのに働けない。技術を生かせず細る現場。若者が来ないのではなく、受け入れる価値観が追いつかない。必要なのは仕組みの更新ではないのか――。「当たり前」を問い直す現場から、人手不足の向き合い方を考えます。 役員を含め19人のメンバーは全員が女性で、出社時間はバラバラ。育児などの事情に合わせて希望する時間に働く。フルタイムもいれば、週4時間勤務の社員もいる。 「働く人、それぞれの事情や制約を前提に、仕事のあり方そのものを見直さないといけない」 代表取締役の鷲谷恭子さん(49)が、地元の郡山市で創業したのは2019年。都会より一足早く、人手不足の波が地域を揺さぶり始めていた。東京で積み重ねたキャリア 妊娠で「戦力外」に 大学卒業後に就職したJR東日本では、地方勤務を経て東京本社のカード事業部で新規事業を企画立案するなど、順調にキャリアを重ねた。 入社6年目の27歳の時、子どもを妊娠すると状況は一変した。 つわりで出社できない日々に「戦力外になった」と感じた。本社の中枢で仕事を希望する同僚は多く、「私の代わりはいくらでもいる」と気持ちがふさいだ。健康的に仕事に集中できなければ、これ以上のキャリアアップは無理だと悟った。 子どもとの時間を大切にしたい希望もあり、07年に退社して地元に戻った。 子どもが成長するにつれて、もう一度「社会とつながる時間を持ちたい」との思いが強まった。だが、地方では、キャリアを生かした仕事は限られる。周囲のママ友も、働く意欲があっても「仕事はパートしかない。キャリアアップできる可能性を感じない」と、口々に愚痴をもらしていた。働きたい人はいるのに、受け入れる仕組みがない 東日本大震災から5年後の1…この記事は有料記事です。残り1823文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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