現場から丹治翔印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
[PR]
■8がけ社会 足りないのは人なのか(3) AI(人工知能)などによる業務の省力化に伴い、事務職は約440万人の余剰が生じる可能性がある――。 今年、経済産業省がまとめた「2040年の就業構造推計(改訂版)」に衝撃が広がった。 推計は同時に、建設や製造、農業などの現場で働く「ブルーカラー」が260万人不足すると警鐘を鳴らした。 きつい、汚い、危険の「3K」職場なのに低賃金で敬遠されてきた業種の一部では、強まる一方の人手不足を背景に賃金が上がり始めている。そんな状況を「チャンス」と捉える動きが広がりつつある。新シリーズ「8がけ社会 足りないのは人なのか」 足りないのは「人」なのか。働きたいのに働けない。技術を生かせず細る現場。若者が来ないのではなく、受け入れる価値観が追いつかない。必要なのは仕組みの更新ではないのか――。「当たり前」を問い直す現場から、人手不足の向き合い方を考えます。同僚は全員年上 「親会社から若いやつが来た」 平均年齢は50代半ば、従業員15人の技術者集団に、新設の建設DX推進室長として着任した新家遼士さん(31)は、戸惑いの視線にさらされた。 同僚はいずれも10歳以上年上。話しかけても、遠慮がちに返された。社内の張り詰めた空気に「距離を置かれるかも」と覚悟した。 宮崎市の測量・補償コンサルタント会社「南都技研」に、親会社のスタートアップ企業「クアンド」(北九州市)から移ったのは2025年1月。ITエンジニアとして建設現場を遠隔支援するサービス開発に携わり、子会社化した南都技研との業務統合を進める担当に、自ら手を挙げた。 もともとは国立北九州工業高等専門学校(高専)でロボット開発につながる機械工学やプログラミングを学び、卒業後は電機大手の富士通に就職した。 だが、大企業の細分化された業務が肌に合わず、4年で辞表を出すと、地元のスタートアップ企業に転じた。現場で得た気づき、売り上げ1.6倍に 子会社に常駐して間もなく、向かった現場は宮崎市から約40キロ離れた九州山地の中腹。道路整備を計画している土地で、ベテラン技術者の作業を手伝った。その後も週1回のペースで現場に出向き、泊まりがけの仕事では夕食をともにした。 「現場主義」に徹することで社内の空気が変わり始めると、気になることがあった。 調査の取りまとめや図面の作成、発注者との打ち合わせや入札案件の選定、長年続いていた作業の多くは人力だった。前職ではITツールを導入し、業務を効率化することは当たり前。逆に言えば、土木の現場では、既存業務の負担を大きく減らせるチャンスがあった。 大きく変えたのは、国や自治…この記事は有料記事です。残り1142文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






