インタビュー人手不足だからこそワークライフバランス 活躍できる人材生かすには聞き手・寺沢知海印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

[PR]

■8がけ社会 足りないのは人なのか(2) 2040年には、働く世代が今の8割になる「8がけ社会」が迫る。深刻な人手不足が広がるなかで、労働時間規制を緩和しようとする動きもある。私たちの働き方はどう変わるべきなのか。企業や自治体の働き方改革を支援してきたワーク・ライフバランス(東京都)の小室淑恵社長に聞いた。 ――人手が極端に足りなくなる「8がけ社会」が迫ってきています。 今の日本社会で主な労働力としてカウントされるのは、フルタイム勤務と40時間ほどの残業なら受け入れられる人たちです。 この前提を変えれば、全体の人口が減っても働ける人は増えます。実際、2019年に働き方改革関連法が施行され、日本の労働人口は過去最多になっています。 ――確かに女性や高齢者の労働人口は増えましたが、間もなくピークアウトするとも予想されています。新シリーズ「8がけ社会 足りないのは人なのか」 足りないのは「人」なのか。働きたいのに働けない。技術を生かせず細る現場。若者を受け入れる価値観が追いつかない。必要なのは仕組みの更新ではないのか。労働の環境を変われば、活躍できる優秀な人材はまだまだいる、と説く専門家に聞きます。 「数」だけで見たらそうです。見なくてはいけないのは、女性の能力を活用できていない実態です。大学を卒業した女性の約4~5割が年収200万円以下で働いています。かけてきた教育費に見合ったリターンを得られていないのです。 ――なぜ、そのような状況になるのでしょうか労働の「内容」には十分な伸びしろがある 問題は社会の働き方のルールと男女の役割分担意識です。フルタイムでなくても「正社員」になれる社会なら、「家庭を守るため」とパートしかできなかった女性が店長にもなれます。責任を持つ仕事ができる。労働者という数には限度がありますが、労働の「内容」を見れば十分な伸びしろがあります。 ――高齢者の働き方はどう見ますか 高齢者も女性と同じで能力を生かせていません。多くの企業にある役職定年は、同じ仕事をしていても急に給料が下がり、やる気を失わせるルールです。孫の育児をしたいという理由で、まだ活躍できるのに辞めてしまうケースも多いです。 一例ですが、高知県のフクヤ建設では、高齢の社員向けに「GG・BB(ジジ・ババ)休暇」という孫の世話のために休める制度を作りました。この会社では、月10.3時間の残業が削減され、売り上げも伸びています。 多くの会社では、高齢者が辞めて人手不足になると、既存の社員への残業の上乗せで対応しています。そうではなく、子育て、介護など、年齢や事情にかかわらず誰もが休むことを前提にした「お互い様職場」を作ることが重要です。少数の長時間労働より、多くの人が短時間でハードワークできる環境があれば、生産性も上がります。 ――多様な労働力を生かすた…この記事は有料記事です。残り1355文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません