ストーリー同じ色の陶磁器はなぜ作れない 「柿右衛門の赤」はナノ粒子で映える科学雑誌Newton印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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【ニュートンから】色と光の科学(3) 日本の陶磁器には,比類ないほどの鮮やかな色で知られる名品がある。その一つが乳白色の下地にえがかれる「赤絵(あかえ)」が特徴の有田焼の名工,柿右衛門(かきえもん)の様式の磁器だ。 江戸時代よりつづく有田焼は,まず「釉薬(ゆうやく・うわぐすり)」を使って白色の下地をつける。釉薬とは,粘土や天然鉱物,植物の灰などを水に懸濁した“にごり液”だ。釉薬をつけた器を,1200~1300℃の窯(かま)で焼くと,粘土に含まれているケイ酸成分がとけて,透明でつやつやのガラス質に変わる。 主に陶器で使われる釉薬には,粘土中の金属化合物の酸化状態が変わることで,色が劇的に変わったり,黒っぽくなったりするものがある。酸化状態で金属の色が変わる身近な現象としては,銅製の10円玉が黒く変色する例があげられる。酸化鉄のナノ粒子が鮮やかな赤色を生む 赤絵は,一度焼いた乳白色の下地(釉)の上に赤色の絵の具などでえがかれたのち,800℃程度で焼き上げられて完成する。その特徴的な赤色を生む秘密の一つは,絵の具の成分である「酸化鉄」(ベンガラ)の粒子の小ささにある。柿右衛門窯では,原料の塩分を抜いたり,粒子を小さくしたりするための秘伝の手法が受けつがれてきたといわれている。 京都大学で酸化鉄の微粒子を…この記事は有料記事です。残り1747文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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