【社説】福岡県議会の金銭疑惑 ウミを出し切る徹底した外部調査を2026年7月20日 19時00分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアするこの社説のポイント●議長職を巡る議員間の金銭授受疑惑、県幹部職員の互助会による議長らのパーティー券購入など、福岡県議会で「政治とカネ」の問題が相次ぎ発覚●自民中心の県政与党が議席の大半を占め、各会派がなれあってきた構図が浮かぶ●徹底した外部調査でウミを出し切り、県民の信頼を取り戻すことができるか

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地方自治体の議会は、首長とともに住民を代表する「二元代表制」の一翼を担う。その議会が不透明な金銭にまみれているのなら、民主主義の土台を揺るがす事態だ。徹底した外部調査で、早急にウミを出し切らねばならない。 福岡県議会で、「政治とカネ」にまつわる疑惑が、次々と発覚している。 今年3月、高額な海外視察について県監査委員から契約方法の是正を求められたのに続き、議長・副議長の政治資金パーティー券を県幹部職員の互助会に購入してもらっていたことがわかった。ポストめぐる金銭授受の告発 深まる疑念 7月には議長・副議長ポストをめぐって候補者が自民党県議団幹部に大金を支払った疑惑が浮上。現在は自民会派を離れた吉松源昭議員が、6年前の議長就任にあたって1千万円を要求され、「他会派への根回し」のためのゴルフ旅行代などを含めて累計約2千万円を負担したと公表した。民主会派を含む複数の副議長経験者らも各数百万円を支払ったと取材に答えた。 福岡県議会の議長は、当選4回の議員が1年交代で務めるのが不文律になってきたという。吉松氏は、議長職を望む思いにつけ込む「カツアゲ(恐喝)的な要求」だったと話す。自民会派幹部は「事実無根」と反論するが、吉松氏に会話の録音を公開された中尾正幸・現副議長は「記憶にない」としつつも発言を二転三転させ、疑念は深まる。 公職のポストをカネで売り買いするような慣行があるのなら、言語道断だ。議会と利害関係のない法曹関係者などにただちに調査を委ね、実態を解明するべきだ。 県の要職を歴任してきた服部誠太郎・福岡県知事も会見で、「第三者を入れた徹底的な調査の結果を、速やかに県民に明らかにしてほしい」と求めた。県幹部職員の互助会によるパーティー券購入については知らなかったというが、議会への調査に全面的に協力しつつ、県も議会との関係を自ら検証する必要があるだろう。あしき慣習生むなれ合いの構図 福岡県議会では、自民と民主など他会派の重鎮らが参加するゴルフ旅行が長年行われてきたという。自民を中心とする県政与党が議席の大半を占める中、各会派がなれあってきた構図がうかがえる。 県議会の実力者とされる蔵内勇夫議長は、弁護士らによる全議員対象の聞き取りを行う考えを示したが、事実の認定や評価まで行う第三者委員会には否定的だ。調査を形ばかりに終わらせてはならない。県民の信頼を取り戻す取り組みが問われていることを自覚するべきだ。福岡県議会の金銭授受 正副議長経験者5人認める「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません