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連続起業家・けんすう(古川健介)さんは、五つのポッドキャスト番組で発信しています。なぜ今、音声コンテンツに力を入れているのでしょうか。けんすうさんが発信する理由やポッドキャストの魅力について聞きました。けんすうさんが考える「ポッドキャストの魅力」・スマートフォンを操作していなくても情報を取得できる・話の前提から説明でき、細かなニュアンスまで伝えられる・プラットフォームに左右されない<テキスト、動画、音声……SNSを中心に誰もが手軽に発信者になれる時代。もしかしたら、「編集者」の視点は一般的に必要なスキルになっているのかもしれません。いまメディアや個人で発信する人たちは、何を意識しながらコンテンツを作っているのでしょうか。withnews by 朝日新聞ではかつて、連載「WEB編集者の教科書」を配信し、書籍化しました。あれから6年、新たに「シン・WEB編集の教科書」と題して、いま知りたい「編集者」のノウハウや取り組みを紹介します。メディアの立ち位置が大きく変わった今、デジタル発信の編集に必要な視点を探ります。>誰もが「価値ある情報」を手に入れられるように「深井・けんすうのまぼろし会議」「けんすうスピーク」「箕輪・けんすうのご神託ラジオ」「限界突破ライフハック」「マダナイ」――。アル株式会社の代表取締役で連続起業家のけんすうさんは、五つのポッドキャスト番組に出演しています。日々、音声で発信していますが、「実はしゃべるのが苦手なんですけどね」と笑います。浪人生のときに大学受験情報の匿名掲示板を作ったり、ノウハウを共有するサイト「nanapi」を運営したり、インターネットの黎明(れいめい)期から多くのWebサービスを手掛けてきました。現在、代表を務めるアルでは、ポッドキャストを中心としたコンテンツ発信や、生成AIを活用したプロダクトの開発に取り組んでいます。今、なぜポッドキャストなのでしょうか?けんすうさんは、「スマートフォンを触っていなくても取得できるコンテンツに可能性がある」と話します。つまり、ポッドキャストは番組の途中で離脱しにくいコンテンツだということです。例えば、歩きながら聴いている場合、別の番組に切り替えるには操作が必要になります。「ショート動画のように、0.1秒で次のコンテンツにいけてしまうと、どうしてもアテンション(注目)寄りのコンテンツに偏ってしまいます」「価値のある情報」が流通するためにけんすうさんが、様々なサービスを展開する中で大事にしてきたのは、「世の中の『価値のある情報』がちゃんと流通して、誰でも手に入る状態にする」ことです。「一般の人の頭の中にもすごくいい情報があったり、いい考えがあったりするけど、インターネットで探してもそれが全然出てきません。みんながアップしていないところがずっと気になっていて、代わりにそれをやるのが好きですね」と語ります。「価値のある情報を一部の人だけが持ち続けることで格差が生まれたり、知らないままの人がいたり、そんな状況を何とかしたいと考えています」発信して「公共物」にしておくけんすうさん自身は、「カジュアルに情報を外に出したい派」。ネット上に発信された内容は、あとから検索して振り返ることができるからです。10年ほど前に自身が書いたブログを読み返すと、当時考えていたことを思い出せて「便利」だといいます。「発信しておくことで、忘れても振り返ることができる。情報や知識、考えは『公共物』にしておいた方がいいという感覚が強いですね」30分未満の番組を聴く人が約半数朝日新聞社とデジタル音声広告事業を展開するオトナルの共同調査によると、ポッドキャストの利用率は緩やかに増加しています。月1回以上ポッドキャストを聴く層は、2020年に14.2%だったのに対し、2025年には18.2%になりました。年齢層別では、15~19歳が14.9%、20代が24.9%、30代が18.2%となっています。また、よく聴く番組の長さは、ユーザーの47.2%が、30分未満と答えました。けんすうさんは、ポッドキャストのよさを「アテンション」ではなく「じっくり聞いてもらえること」だと考えているそうです。「僕が運営していたメディアでは、1記事あたりだいたい1分40秒ぐらいしか見てもらえないし、1人あたりが読む記事数は1.7本程度でした」「一方、ポッドキャストでは例えば25分の番組であれば、全体の6割の人が最後まで聴いているような状態です。圧倒的に長い時間で、話の前提から説明できます」1週間で消える番組の「心理的安全性」けんすうさんの出演する番組には、それぞれユニークな特徴があります。例えば、歴史を語る番組「コテンラジオ」の深井龍之介さんと立ち上げた「深井・けんすうのまぼろし会議」は、配信から1週間で番組が消える仕組みです。背景には、「ネット上で本音を発信しにくい」という問題意識と、「発信者の心理的安全性を確保したい」という思いがあったといいます。初回の放送で深井さんは「本音も言えるし、炎上もしないし、安全に意見が言える上で、受け手の人も本音を聴ける空間は用意できるはず。それを作りたいというコンセプトです」と説明していました。けんすうさんは、「政治家や著名な経営者の中には情報発信をしなくなった人もいます」と話します。「SNSで発信すると、炎上したりたたかれたりすることがあるので、身内だけで情報をやりとりしている。これは長期で見たらよくないけれど、短期的にはもうそうせざるを得ない状況です」例えばメディア取材では、1時間のインタビューが短くまとめられることもあり、文脈やニュアンスが伝わりにくいという課題もあります。そのため、より正確に意図を伝えられる手段としてポッドキャスト出演を選ぶ経営者もいるそうです。プラットフォームに左右されないポッドキャストけんすうさんは、ポッドキャストの利点として「プラットフォームに依存しない点」も挙げます。「YouTubeの場合は、YouTube側が『このコンテンツはダメだ』と判断したら表示されなくなるとか、『BANされる(利用停止になる)』危険性があります」一方、ポッドキャストは、SpotifyやApple Podcastsなど複数の配信先に展開できます。突然、何かのプラットフォームが閉じてしまったとしても、けんすうさんは「RSS(システム)があれば、新たにポッドキャストプレーヤーを作ることもできます」と指摘。「プラットフォームのルールに左右されない点で非常に優れていると思います。ある程度、安全性が担保されていることは大きい」と話しています。ニュースが身近になるメディア「withnews」https://www.asahi.com/withnewsTikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@withnewsYouTubeアカウント:https://www.youtube.com/@withnewschannel