インタビューエリート層も陥る性犯罪 「認知のゆがみ」を生むストレス どう更生聞き手=編集委員・森下香枝印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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性犯罪の被害に苦しむ人が後を絶ちません。被害をなくしていくには、加害者側の「ゆがんだ認知」を矯正したり、抑圧や不安をやわらげたりするアプローチも欠かせません。元法務省職員で、性加害者らへの治療のための教育をしている一般社団法人「もふもふネット」の代表理事を務める藤岡淳子・大阪大学名誉教授(非行臨床心理学)に、加害者の心理や再発防止に必要なことを聞きました。――性加害者が取り調べや裁判の過程で「性的同意があったと思い込んでいた」と弁明するケースが多くみられます。 事件によります。不同意性交罪の場合、顔見知りとのセックスだったとか、ナンパをして声をかけてついてきたから「同意があったと思った」と言う人はたくさんいます。――例えば、どのようなケースでしょう。 店長などを任され、仕事もちゃんとしていた既婚男性が性犯罪者となり、カウンセリングにきました。自分のやったことが間違っていることは理解しているのですが、頑張って働いても報われず、搾取されているような気分があり、むしゃくしゃして狙った女の子に声をかけ、自分の思い通りにセックスをしたことが性犯罪になった。これが彼の気晴らしであり、リラックスを得られる手段だったのです。性犯罪をする人の素顔は結構、真面目できちょうめんで頑張る人が多いです。――2023年の刑法改正でできた不同意性交罪は犯罪の抑止力になっていませんか。 世間一般、特に男性の「性」や「同意」に関する感覚は古いものをそのまま引きずっていて、新しい法律ができてもほとんどアップデートされていませんね。加害者教育プログラムではまず、「法律が変わりました。今の段階であなたが言う『同意』は通用しません」ときっちり伝えます。そうすると、彼らも一定の納得は示しますね。――カウンセリングにくる人の年齢層や、背景を教えてください。 年齢は少年から20~50代、まれに60代もいます。心理状態は人によって違いますが、性犯罪者の多くは前科がない人たちです。性犯罪者の実態に関する法務省の特別調査(2015年)によれば、性犯罪者の有職者率は、約8割と他の罪名の者に比べて高く、また盗撮型や痴漢型においては、大学進学の割合も高いという結果が出ています。自ら「もふもふ」に治療を求めてくる人は特に大企業の会社員、教師、公務員など、表の顔としては仕事や勉強をすごく頑張る真面目できちょうめんなエリート層も多いです。――社会的地位のあるエリート層が、なぜ性犯罪に走るのでしょうか。性加害者へアプローチする更生プログラムの中身とは? 加害者に起きる変化や、被害者との対話で生まれる効果について藤岡さんが語ります。■「思い通りにいかない」 組…この記事は有料記事です。残り2103文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






