深掘り増山祐史 長橋亮文印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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Aストーリーズ リニアのゆくえ 静岡工区着工(3) 2027年の開業をめざすリニア中央新幹線にとって、静岡工区は最大の難所だった。着工が遅れれば開業も遠のく。 そんな中、2017年10月10日。水の問題をめぐり、JR東海と静岡県の対立が決定的になった。 「水は一部戻してやるから、ともかく工事をさせろという態度だ。わたしの堪忍袋の緒が切れました」 静岡県庁で行われた川勝平太知事(当時)の定例記者会見。川勝氏は厳しい表情で、こう言い放った。 JR東海は13年、静岡県を縦断する大井川の流量が、毎秒最大2トン減るとの予測を公表する。大井川上流部の南アルプスのトンネルの掘削で、わき水が出るためだ。「全量は戻せないが一部は戻す」と県側に理解を求めた。 県側はこれに反発した。静岡工区の着工には、河川法などに基づく知事の許可が必要だ。「最難関工事」と呼ばれるリニアトンネル 深さはスカイツリー2本分 大井川の水は流域10市町にとって、なくてはならない。名産の茶畑にも酒造りにも、飲料にも使われている。流域では過去、「水枯れ」が繰り返され、水の確保は地域の最優先課題だった。 川勝氏は「命の水」だとして対応を求めたが、議論は平行線をたどった。 JR東海がようやく「原則として全量を戻す」と歩み寄りの姿勢を見せたのは、18年になってから。だが県側は独自に有識者会議を設け、環境をめぐる議論を南アルプスの生態系などにも広げていった。 県側からの求めもあって、国土交通省が動いたのは20年のこと。水や土木の専門家による有識者会議をつくり、議論を整理しようとする。しかし川勝氏の納得は、簡単には得られない。 24年3月、JR東海は、27年の開業を正式に断念すると公表した。 議論はなぜ、長引いたのか。経緯をたどると、JR東海、県、国が、それぞれ信頼関係を築けなかった状況が浮かび上がる。静岡県、JR東海、国交省。三すくみの不信感の解消が遅れ、事業費が膨らんでいきます。開業を見越した沿線のまちづくりに影響が及び、工事のリスクが顕在化しました。 国交省の水嶋智鉄道局長(当…この記事は有料記事です。残り1089文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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この記事を書いた人増山祐史東京社会部|国土交通省担当専門・関心分野運輸行政、事件事故、独占禁止法、スポーツ関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする