視点・解説「再審無罪事件も相まって…」 再審法改正、原点見失っていた法務省2026年7月18日 5時00分二階堂友紀印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

[PR]

なぜ、再審制度を見直すのか。国会議員たちは法務省に繰り返し問うた。原点を忘れているように見えたからだ。 自民党の事前審査が紛糾していた4月。平口洋法相は見直しに着手した理由を国会で問われ、「近時、再審無罪事件等も相まって、事件によっては処理が遅延しているといった指摘がなされている」と述べた。 有罪が確定した裁判で明かさなかった証拠の開示に抵抗する。裁判所の再審開始決定に抗告を繰り返す。冤罪(えんざい)被害者の救済を遅らせてきた一因は検察にある。そして法務省は検察官が幹部を占める組織だ。 他人事のような答弁ぶりに、自民党部会で憤りの声が上がった。「『相まって』とはなんだ。再審無罪の歴史をしっかり反省して立法してくれと繰り返し申し上げてきたのに、反省の『は』の字もない」 国会審議では、昨夏に前川彰司さんの再審無罪が確定した福井女子中学生殺害事件の遺族が「真犯人を見つけてもらいたい一心でこうやって訴えてます」と切実な思いを語った。 検察の「証拠隠し」がなければ、もっと早くに無実の罪が晴れ、再捜査が行われていた。冤罪は「無辜(むこ)の処罰」と「真犯人の不処罰」という二重の意味で刑事司法への信頼を揺るがす。 法相は改正法の提案理由の中で「反省」を表明した。その本気度を見極めていかなければならない。立法の原点に立ち返った運用を見せてほしい。【自民党審査の舞台裏】「おごりがあった」世論を見誤った法務・検察 再審法案の攻防51日【改正法の詳細】「証拠隠し、防げない」 再審制度見直し、改正法に残る三つの懸念有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事の続きを読むなら今がお得。初回1カ月無料+Visaギフトカードが当たる▶今すぐ登録

この記事を書いた人二階堂友紀東京社会部|法務省担当専門・関心分野法と政治と社会 人権 多様性関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする