2026年7月17日 17時30分大西英正印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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愛知県知多市の歴史民俗博物館に常設展示されている打瀬船(うたせぶね)「藤井丸」が、日本船舶海洋工学会による「ふね遺産」に、県内で初めて認定された。風上に向かって進む能力に優れたタイプの船で、その構造は愛知から広まったとされ、今に伝える貴重な存在と評価された。 打瀬船は、風の力で帆を張り、船を横に滑らせながら網を引く「打瀬網漁」に使われる。風上に進むためには従来、8の字を描きながら少しずつ進まなければならなかった。明治30年ごろ「愛知県型」が開発され、漁場までの時間を大きく短縮したという。機動性を高めた構造 博物館学芸員の真田泰光さん(41)によると、船の先端が垂直に近い構造となって舵(かじ)の役割を果たしたことや、2枚の大きな帆を別々に操作することなどで、愛知県型は機動性が高くなったという。 知多市の近海では、この打瀬船に家族2、3人が乗って漁業に従事していたといい、最盛期には100艘(そう)ほど操業していた。博物館には、八幡方面の海岸にたくさんの船が写った明治末期の写真も残っている。 愛知県型の構造は伊勢湾や三河湾に浸透していった一方、1959年の伊勢湾台風で知多市の沿岸部は大きな打撃を受け、60年代には海岸の埋め立てが進んで打瀬船は見られなくなった。全国で60号、現存は27号 博物館に展示されている藤井丸は全長15メートル、帆の高さは12メートルある。西尾市で20年ほど使われた船で、1978年に今の博物館が移動して開館する際に寄贈され、50年近くにわたって展示されてきた。 「ふね遺産」は、学術・技術の面で歴史的価値のある船や設備を文化遺産として伝える目的で、認定は今年で10回目。藤井丸は60号となり、現存する船としては27号となる。 真田さんは「この地域で打瀬網漁が盛んに行われる転換点になった『愛知県型』。その構造を知ることができる貴重な船とともに、博物館には昔の衣食住に関する展示品も多いのでぜひ訪れてみてほしい」と話す。月曜休館(ただし7月20日は開館、翌21日休館)。問い合わせは同館(0562・33・1571)へ。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする