瀬戸内海に浮かぶ「真っ白い島」 船で渡ると国内最大の拠点だった…2026年6月8日 19時00分伊東聖印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする【動画】瀬戸内海に浮かぶ「真っ白い島」の正体は=伊東聖撮影
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瀬戸内海に面する道を車で走っていると、真っ白い島が現れた。砂なのか大理石なのか、それとも何かを覆っているシートなのか? 調べてみると、私たちが口にしているものの国内最大の中継拠点だった。 この島は広島県呉市の三ツ子島(三子島とも)。呉市と橋でつながる倉橋島の沖合100メートルほどの所に浮かぶ。 島内に「三ツ子島埠頭(ふとう)」という会社があることがわかった。船で近づくと「白い壁」が迫る。3分ほどで着いた。 あの白いものは何なのか尋ねると、「塩ですね」。経営管理部長の宮田正彦さんが教えてくれた。なぜ塩がこの場所に、こんなに大量に? 三ツ子島埠頭によると、島にはかつて旧海軍の倉庫などがあった。 戦後、農地となり、1956(昭和31)年に米国の海運会社が買い取った。同時に今の三ツ子島埠頭を設立。桟橋を設けるなどして、66年からメキシコの塩田の塩の保管・積み替え場所として利用を始めた。以来、輸入塩の中継基地として使われ、国内最大規模だという。 塩の保管場所は東京ドームの約1.2倍、約5万6千平方メートルの広さで110万トンを置ける。20万トン級の大型船でメキシコから約17万トンの塩が運び込まれると、社員20人が2交代制で5昼夜かけて島に下ろす。 年間の取扱量は百数十万トンに上り、注文に応じて国内外に出荷している。 島の周りは水深18メートルと深く、大型船が着岸できる。瀬戸内海の天候は穏やかで、海が荒れることも少ない。保管場所としては絶好の環境だ。 それにしても、大量の塩。驚きを隠せないでいると、宮田さんが「塩は形を変えて、あらゆるものに使われています」と解説してくれた。 塩は水に溶かして電気分解され、塩素やカセイソーダ(水酸化ナトリウム)の原料となる。これらはビニールやガラス、服や洗剤、薬品などに姿を変えるのだという。 三ツ子島埠頭の取扱量の75%がこうした「工業用塩」。残り25%が食塩や融雪剤などになる。国内での塩の消費量約780万トンのうち、三ツ子島埠頭は100万トン超を取り扱っているという。 塩の山を案内してもらった。 さらさらなイメージとはまったく違う。がちがちに硬く、凍った雪山のようだ。大きな結晶があちこちにある。雨ざらしだが、表面が溶けても、すぐに再結晶して固まるのだそうだ。そもそも海水から作られたものなので、少々溶けたとしても問題はない。 扱っているのが塩だけに、機械類がさびないようステンレスを貼ったり、定期的に塗装をし直したりと、入念にメンテナンスをしている。 宮田さんは「塩は食用のイメージがあると思いますが、いろいろなものに使われている。皆さんの日々の生活・暮らしを支えている、という誇りを持って仕事をしています」と話した。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人伊東聖呉支局長専門・関心分野事件、沖縄、被爆者・戦争体験者、街だね関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






