ストーリー「○○先生」改め「○○さん」 無意識の上下関係突破、学長は考えた城真弓印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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「先生」から「さん」へ――。九州工業大(北九州市)は、大学教職員が教授や准教授ら大学教員を「○○先生」ではなく「○○さん」と呼ぶ取り組みを進めている。狙いは、教員と職員の間にある無意識の上下関係の突破。取り組みを始めて以降、職員出身の副学長も誕生した。 九工大は私立明治専門学校が前身。安川電機創業者で「筑豊の炭鉱王」だった安川敬一郎氏が技術者教育のため私財を投じて1907年に設立した。現在、北九州市と福岡県飯塚市の三つのキャンパスに工学部と情報工学部がある。 「さん付け」の奨励は2021年度に始まった。当時の学長の「自由闊達(かったつ)に意見を言える風通しの良い組織を目指す」という考えのもと、意思決定の場である会議やメールの文面で「さん付け」を奨励すると全教職員に通知した。 背景にあるのは国立大学が法人化された04年の大学改革の行き詰まりだ。国の運営費交付金が年々減って研究力低下が指摘される一方、職員も目の前の業務に追われて改革や効率化を検討する余力がなくなっていたという。 根本から改革が進まない原因の一つとして、当時の学長が考えたのは「教員は上、職員は下」という無意識の固定観念だった。 それまで大学の経営や運営に携わる役職の大半を教員出身が占めていたが、工学系の九工大では経理や組織マネジメントに詳しい人ばかりとは限らない。 事務職員出身で副学長の三宅智実さんは当時を「『先生』と言われる人が集まって、こうしようと決めたら我々事務職員は『おかしいな』と思っても、黙って『はい分かりました』と自然に出ていた」と振り返る。 「さん付け」の奨励と合わせて行った22年度の組織改正で、教授の配下に職員を置く従来の形を変えて職員の部長級職が新設された。 三宅さんは部長を経て24年度に副学長に就任。25年度には、研究・授業のサポートなどをする技術職員だった修行美恵さんも副学長に就いた。「無意識の制約みたいなものを呼称で突破してきた」と三宅さん。 ただ、部署によっては「さん付け」が浸透しきれていない状況もある。日常的に教員と接する各学部の職員からは「さん付けは難しい」という声もあり、今後の課題だという。 文部科学省は25年度、研究…この記事は有料記事です。残り210文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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この記事を書いた人城真弓西部報道センター|教育・子育て、京築地域担当専門・関心分野地方・教育・療育・子育て・食・防災関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする