ペアを組んで打撃練習をする高梁の易桜太朗選手(左)と田村友臣選手=2026年6月13日、岡山県高梁市成羽町成羽、中川壮撮影
[PR]
■ALL FOR ONE:9 第108回全国高校野球選手権岡山大会は7月11日、58校54チームによる熱戦の幕が開きます。一つの目的に向かって力を合わせる、個性あふれる人たちの姿を県内の各校から随時紹介します。 高梁の一塁手の田村友臣選手(3年)と三塁手の易(えき)桜太朗(おうたろう)選手(2年)は、中学時代からの先輩と後輩だ。すぐに敬語を使わなくなった 易選手が田村選手と出会ったのは、岡山県吉備中央町の中学校。野球部で一つ上の学年は田村選手1人だけ。すぐに敬語を使わなくなった。易選手は「近い距離で接しても、怒らず優しくしてくれる。一緒にいてやりやすい」。そんな先輩を、同級生らともりたてた。 高梁に進むと、田村選手の雰囲気は大きく変わっていた。太めだった体は引き締まり、柔和だった表情は精悍(せいかん)さを宿していた。「野球がもっと好きになって、もっとやる気になっている」ことが伝わってきた。優しい性格は変わっていなかった。 高校は「田村さんのことはあまり考えずに決めた」と易選手。しかし、田村選手はあるところから、自分の存在が決め手の一つになったと聞いた。「けっこううれしかった」と笑顔で話す。 田村選手が練習でエラーをするとすかさず、易選手が「ヘイ!ヘイ!」などと言ってくる。「一番声がでかくて、一番いじってくる」。易選手がエラーした時はやり返す。 易選手がちょっかいをかけ、田村選手が何かしら返すのが基本だ。帰りのバスは隣同士で だが試合では、田村選手が先陣を切って声を出し、易選手が直ちに続く。主将と副主将としてチームづくりを議論する。打撃練習ではペアを組み、互いにアドバイスし合う。 同じバスで通学している。行きは離れた席に座るうえ、あいさつさえ交わさない。だが帰りは、一番後ろの席に隣同士で座って話す。異性や恋の話もする。どんな話をしていても、最終的には野球の話になる。 易選手は場を明るくするのが得意だ。「グラウンドでの行動全部がチームのプラスに働いている」と田村選手。 易選手は、田村選手の行動力やキャプテンシーにひかれるという。「野球に対する熱量が誰よりもある」。互いに、何でも気軽に話せるし相談できる。素直に感情を表せる。「隣にいてくれるのが当たり前」の存在だ。 11日、選手権岡山大会の初戦に臨む。易選手は上位打線の一角、田村選手は指名打者として中軸を担う。チームの目標はベスト8だ。 易選手は「田村さんを含む大好きな3年生たちに勝利をあげたい」。田村選手は「(易選手と)最後まで切磋琢磨(せっさたくま)してやり切れれば」と話す。=終わり【ALL FOR ONE:1】「努力は裏切らない」未経験者で高校野球に、「元前衛」がかなえた夢【ALL FOR ONE:2】「美しいダイヤモンド」のため顧問にも注文 整備用具を自作した球児【ALL FOR ONE:3】再入院、再手術経て公式戦初出場 「制限なく野球」ありがたさ知った【ALL FOR ONE:4】各駅停車の旅愛する球児「多くの『初めて』体験、試合の平常心にも」【ALL FOR ONE:5】野球が好き、だから 「勝ってくれ」スタンドから太鼓の音に願い込め【ALL FOR ONE:6】「ヒット量産」「一度は盗塁」女子選手コンビ、男子に交じり追う白球【ALL FOR ONE:7】打率4割超は「マネジャーのおかげ」 モードを変えて、スマホで動画【ALL FOR ONE:8】めざすは東大「野球も勉強も」 模試で県1位も経験、本気で追う二兎






