めざすは「第二の緑の革命」 光合成の最重要たんぱく質、改良に成功野口憲太印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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地球上に一番多く存在するたんぱく質は何か、ご存じだろうか? その名はルビスコ(Rubisco)。植物の光合成に欠かせないたんぱく質で、食物連鎖の土台になる。だが、うっかりミスは多いし、仕事は遅いというやっかいもの。このルビスコを「改良」して食料増産につなげる――。そんな研究が進められている。食料不足を回避せよ 東京大学の矢守航准教授らの研究チームは6月、植物の葉緑体のゲノムをピンポイントで書き換えて、光合成の効率を上げることに成功したと、科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した(https://doi.org/10.1038/s41467-026-73783-w)。 地球全体で見ると、人口は増え続けている。水や土地といった限られた資源から、いかに多くの食料を確保するかは将来の大きな課題で、矢守さんは「(ルビスコの改良が)食料不足といった課題を解決する基盤技術になりうる」と意義を語る。 書き換えたのはルビスコの設計図(DNA)だ。ルビスコは、植物が吸収した二酸化炭素(CO2)を有機物に取り込む反応をつかさどる。 光合成において最重要ともいえる仕事だが、ルビスコには大きな弱点がある。仕事の効率がとても悪いのだ。 本来取り込むべきCO2ではなく、酸素(O2)を誤って取り込む「ミス」を起こしやすい。CO2から有機物をつくる反応も非常に遅く、ふつうのたんぱく質の100~1千倍の時間がかかる。 それでも光合成が成り立つのは、植物が大量のルビスコをつくっているからだ。ルビスコは葉の中の主要なたんぱく質の30~50%を占めるとされ、この「物量」で、効率の悪さをカバーする。地球上で最も多いたんぱく質と言われるゆえんだ。半世紀の失敗続き「難しすぎるテーマ」 もし、イネやトマト、小麦などの作物でルビスコの効率を上げられれば食料増産につながる。 農業の歴史では20世紀半ばに、品種改良などで穀物の生産量が飛躍的に増えた「緑の革命」があった。光合成能力の改良は、第二の「緑の革命」をめざす研究の一つといえる。 ただ、約半世紀もの間、世界各国の研究者が挑戦したものの失敗続きだった。矢守さんも「難しすぎるテーマだった」と話す。立ちはだかったハードルが、ルビスコの中心部に手を加えることだった。 ルビスコは複数のパーツが組…この記事は有料記事です。残り539文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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