インタビュー韓国でも話題の「男消し構文」 日韓メディアで類似の構造と解消の鍵聞き手・高室杏子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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事件の被害者や加害者が女性だと、ニュースの見出しで性別が強調される一方で、男性だと性別が抜け落ちる――。 そんな男女非対称な報じ方を指摘する言葉「男消し構文」。2026年春にX(旧ツイッター)で投稿文が自動翻訳されるようになったのを機に、「韓国にも男消し構文がある」と注目を集めました。韓国で記者経験があるメディア人類学者の金暻和(キム・キョンファ)さんは、「男消し構文」が両国で問題視されたことに希望を見いだします。そもそも韓国のマスメディアには、日本の報道と類似が生じる歴史的な背景があることを指摘。非対称な報じ方を無くしていくため、マスメディアと社会に必要なことを考えていく意義にも共通項があるといいます。メディア人類学者・金暻和さんインタビューこの記事のポイント・韓国マスメディアの「男消し構文」とは?・男消し構文は韓国にも…記者時代を振り返ると・韓国の新聞社の歴史と日韓の2つの課題・「女と男の対立ではない」、具体的な解消方法とは?言論サイトRe:Ronはこちら ――韓国の大手通信社「聯合ニュース」が4月に報じた、女性への暴力事件について、Xで日本語に自動翻訳された見出しは「『ご飯食べなさい』の言葉に、ゴルフクラブで祖母・母親を殴った20代、控訴審でも実刑」でした。見出しに加害者の性別が記されていないことを、ハングル圏のユーザーが指摘していて、それも自動翻訳されて日本語圏で拡散されました。 この話題を知ったのは今回のインタビューがきっかけですが、ハングル圏のユーザーが指摘する通りです。原文にも加害者の性別が男性だとわかる言葉はありません。日本でしばしば話題になる「男消し構文」になっているように思います。■男消し構文は韓国にも…記者時代を振り返ると ――Re:Ronで25年に配信したライター・ヒオカさんの連載寄稿「ニュースに潜む『男消し構文』 加害者男性が〝透明〟になる要因とは」は、数々の事例をもとに男消し構文の問題を鋭く指摘し、話題に。三省堂の「辞書を編む人が選ぶ 今年の新語2025」でも「男消し」は第6位に入りました。ヒオカさんの連載寄稿はこちら 私が「男消し構文」を知ったのも、日本で話題になったこのときです。 見出しから「男性」が抜け落ちる現象は韓国のニュース記事でもよくあることです。一方で、女性の話題だと「女子高生」「女教師」などとことさらに強調された見出しを、私が学生だった1980年代から目にしていた記憶があります。見出しから男が消えるのは、あえて説明を加えなくても自明である、と見なされているからだと思います。つまり、多くの記事が「男性」を暗黙の基準として書かれていることがこうした現象にも表れているのではないでしょうか。 しかし、私が記者をしていた90年代当時、性別によるこの非対称について気づいていませんでした。理不尽だ、おかしい、とも思っていませんでした。 当時の私は、社内で当時の女…この記事は有料記事です。残り4007文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません