現場から特急銀座に新幹線が来れば 普通増便の県民鉄道、奇跡という名の誤算久保智祥 本間沙織印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする北陸新幹線 できないかな 53年前に国の計画が決まった北陸新幹線。大阪への最後のルートが今国会の会期中に再決定されます。人口減少の時代、地域に「新幹線が来る」ことの意味を考えます。

[PR]

田んぼが多かった一帯に、戸建ての住宅やアパートが目立つようになった。紫式部がただ一度、都を離れた時に暮らした福井県の越前市。今年3月、市内にローカル鉄道の新たな駅が開業した。 真新しい「しきぶ駅」の看板には「H」と「F」をかたどるロゴマーク。2024年に生まれたばかりの第三セクターの鉄道会社「ハピラインふくい」の英語表記の頭文字からデザインされた。 利用が見込まれたのは、そばにある武生商工高校の生徒たち。朝、2~4両編成の列車が着くと数十人がホームに降り立つ。一方で、25分ほどで着く福井駅などへの通勤客も多く利用する。 4月の1日あたりの利用者数は予想を5割上回る434人。ハピラインの担当者は「新たに電車を使う人が増えた」と手応えを話す。 1973年に国の計画が決まった各地の「整備新幹線」には、並行する在来線が原則としてJRの経営から外れるという「かせ」がはめられた。それまでの特急の利用者が新幹線に移り、採算が見込めなくなるためだ。 地域の鉄道網を残すかは地元の決断にかかる。2024年に50年待った新幹線が開通した福井では、並行在来線は県や全市町、企業などが出資する三セクのハピラインで維持することが選ばれた。 ローカル線の役割が細り、列車に乗る人が減るにつれ、赤字が膨らむ――。整備新幹線の鉄路が延びるたび、そんな並行在来線の課題が全国各地で浮かびあがってきた。 ハピラインの見込みも初年度に7.3億円の赤字、2034年度までの11年間で累計赤字が約70億円と厳しかった。 だが、誤算だった。 初年度に1日2万167人と見込んだ利用者数は、2万1060人と4.4%上振れ。年間761万8341人が利用した。17億4700万円の見込みだった運賃収入も、20億100万円と14.6%も上回った。 赤字は1200万円にとどまり「ハピラインの奇跡」と呼ばれる。奇跡はなぜ起きたのか。社長が語る「一新」 赤字幅の圧縮には、県などか…この記事は有料記事です。残り857文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事の続きを読むなら今がお得。初回1カ月無料+Visaギフトカードが当たる▶今すぐ登録

この記事を書いた人久保智祥福井総局専門・関心分野寺社、宗教、文化財、文化、美術関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする