視点・解説印日関係、地政学を超えて「社会的」に 中心は教育 インド人識者印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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高市早苗首相が1日からインドを訪れ、モディ首相との首脳会談などに臨む。訪問に合わせ、インドのO.P.ジンダル・グローバル大学副学長のC.ラージ・クマール教授から「地政学を超えて――インド・日本関係を『社会的パートナーシップ』として再構想する」と題する論考が寄せられた。全文は以下の通り。 ◇ インドと日本の関係は、アジア太平洋地域において最も重要な二国間関係の一つである。高市早苗首相のインド訪問は、両国の結びつきをさらに広げ、深める絶好の機会だ。両国はこれまで、制度的信頼、戦略的パートナーシップ、技術協力、貿易・投資関係の強固な枠組みを築き、双方が享受できるより広範な経済的利益を生み出してきた。インド太平洋地域においてインドと日本は、自然なパートナーとみなされている。 しかし、今回は、以下のような根本的な問いを投げかける機会になる。すなわち、印日関係の未来を維持、発展させていくうえで、戦略的パートナーシップだけで十分なのか、という問いだ。私は、印日関係の次の段階に向けては、地政学的背景や戦略的考慮による利害の一致を超えていく必要があると考える。この関係は、古代文明と繁栄する社会を持つ二つの民主主義国家の間の「社会的パートナーシップ」に基づいて築かれるべきである。両国には、互いの実体験から学ぶべきことが数多くある。社会的パートナーシップには、たとえ貿易協定が変わり、技術が進化し、地政学的協力の形が変化しても、持続し得る力がある。社会的な協力とパートナーシップの持続性は、極めて大きな意義を持つ。 インドと日本、そして両国関係の歴史と発展は、インフラ開発、製造業、技術、イノベーション・エコシステム、戦略的な政治関係を中心に築かれてきた。たしかにインドと日本は、これらの分野で関係を前進させるための独自の強みを持っている。しかし、両国のより広範な文明的交流は、何世紀にもわたって発展してきた。外交関係が生まれ、近代国家システムが形成されるはるか以前から、仏教の哲学的基盤は、両国間に橋を架け、つながりを築いてきた。752年、奈良の大仏開眼供養会に参加したインド僧・菩提僊那(ぼだいせんな)は、地政学的背景をもつ持続的なパートナーシップの最初期の例の一つである。 両国間のパートナーシップや地政学的な優先事項が頻繁に変化し、再編されても、信頼という要素は重要性を持ち、現代の印日関係の枠組みを形づくってきた。アジア、さらには世界全体を見渡しても、インドと日本が長年築いてきた相互信頼、善意、親密さに匹敵する二国間関係はほとんどない。指導者間や政府間の信頼だけでは十分ではない。インドと日本が取り組むべき課題は、政治的な信頼と協力を、社会的な信頼とパートナーシップに転換していくことである。 印日関係は、首脳レベルの会談だけによって形づくられるものではない。教室、大学、研究所、産業回廊、企業、都市、ビジネス拠点、研究機関、そして地域社会で何が起きるかによっても形づくられる。 日本の大学や高等教育機関は…この記事は有料記事です。残り1332文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません














