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連載コラム「長考一番」 朝日新聞コラムニスト・山中季広このコラムは……何かと慌ただしい毎日、ニュースの消費サイクルも分単位に。そんな時代だからこそ、本社コラムニストの山中季広編集委員があえて長い時間軸で過去と現代を見つめ、迫り来る未来を考えます。 驚きの新刊を手にした。「幻の大草原を追って」(花伝社刊)。著者の略歴欄で目が釘付けになる。 〈大蒙古(もうこ)帝国を築いたチンギス・ハーンの第4子、ボルジギン・トルイの末裔(まつえい)〉 なぜか家系についての記述は本文のどこにもない。興味抑えがたく、ご本人に取材をお願いした。 中国・内モンゴル自治区出身の環境学者、朝格(ちょうかく)吉拉図(きつり)さん(46)。滑らかな日本語で「農家の7人きょうだいの末っ子です。羊を放牧しながら育ちました」。21歳で来日し、東京農工大で修士号、筑波大で博士号を取得した。 太祖チンギスのご子孫なのですか? 「代々の言い伝えです。ただ証明できるのは16世紀以降の系譜だけ。残念ながら、チンギスの生きた13世紀から切れ目なく証明する手立てはありません」 チンギスの子孫はユーラシア大陸の各地に根を下ろした。いまでもモンゴル社会では直系の人たちを「黄金の家族」と呼び、格別の敬意を払っている。 朝格さんの家も祖父の代までは広大な家領を有した。「11もの行政域を管理していました。ですが中国にいまの政権が成立し、後に国家所有とされました」。以降は風呂も暖房もない家で暮らした。 念願かなって来日するも、留…この記事は有料記事です。残り607文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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