独自電力会社による法廷の無断録音、社員が内情明かす「対象は原発訴訟」2026年6月28日 5時00分酒井祥宏 根津弥印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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大手電力会社8社や業界団体「電気事業連合会」(電事連)などが5~6月、法廷を無断で録音したと相次いで発表し、ルール違反を認めて謝罪した。目的は何なのか。大手電力会社員が朝日新聞の取材に応じ、内情の一端を明かした。 法廷内の録音は「証人などの陳述に心理的な影響を与える」などとして、最高裁の規則で原則禁じられている。 電力各社は、録音した訴訟の内容などは取材に明かしていないが、この電力会社員は「録音の対象は原発を巡る訴訟だ」と話した。「自社の原発の差し止めに関する民事訴訟の口頭弁論などに出席し、法廷を繰り返し無断で録音し、報告書を作った」。ICレコーダーを使い、録音データをもとに裁判官や原告側代理人の発言、法廷の様子などを詳細に報告書に記した。特に裁判官の言葉はつぶやきや反応まで細かく記載したという。法廷、一言一句まで報告書に 電力会社「原発訴訟は負けられぬ」訴訟の録音禁止、最高裁が示す理由 元判事でも見解分かれ、海外では原子力関連施設を持つ13事業者に共有 報告書は電事連の担当者にメールで送られ、電事連側は各社の法務担当者が参加するメーリングリストを通じ、報告書を各社に共有していたという。共有先は、東京電力など大手電力や電源開発など、原子力関連施設を持つ計13事業者だった。 社員は「録音はやってはいけないと皆わかっていた」と話す。電力会社は様々な訴訟を抱えるが、原発以外、録音されたり、メーリングリストで共有されたりする訴訟を社員は知らないという。「原発訴訟は経営にとって重要」 社員は「原発訴訟は経営にとって重要で、正確な記録が求められる。争点も似通うため、他社の記録は戦略上、非常に参考になる」と話す。 原発の運転差し止めや設置許可取り消しを求める訴訟や仮処分申請は、2011年の東電福島第一原発事故後に増加。差し止めや取り消しを認める司法判断が出たケースもあり、電力会社の経営に影響を与えてきた。 電事連は取材に「電事連をはじめ電力各社が民事訴訟を無断で録音していたことは深くおわび申し上げる。原子力に関連する各社の訴訟は類似する争点も多く、業界団体として情報提供・共有を行っている。電事連が各社から提供を受けた資料が、無断録音データをもとに作成されたかどうかは承知していない」と答えた。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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この記事を書いた人酒井祥宏東京社会部|調査報道担当専門・関心分野事件、事故、調査報道、災害根津弥東京社会部|気象庁担当専門・関心分野司法、刑事政策、人口減、災害復興、防災関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする