「平和な青い空」がみんなの願い ウクライナ取材の玉本英子さん2026年6月26日 16時00分中野晃印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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戦火が続くウクライナを、ジャーナリストの玉本英子さん(59)=大阪府豊能町=が6月中旬まで約3カ月間取材した。ロシア軍の空爆の恐怖と隣り合わせの日々を生き、「平和な空」を渇望するウクライナの人々。現地の状況を7月、大阪府内3カ所で映像を交えて報告する。 アジアプレスに所属する玉本さんは、ロシアが侵攻した2022年から毎年ウクライナに向かい、戦火に生きる人々を記録している。今年は3月中旬から黒海に面するオデーサを拠点に、東部の前線などを回った。 今回初めて原発事故から40年を迎えたチョルノービリ(チェルノブイリ)に足を運んだ。広島で被爆した父から原爆の惨状を聞いており、「人類が放射能とどう向き合うべきかを現地で考えたい」と思ったからだ。 爆発した原子炉を閉じ込める「石棺」に近づくと、線量計が鳴った。石棺を覆うシェルターの屋根は25年、ドローン(無人機)攻撃を受けて火災が起きた。現地の関係者から「数メートルずれていたら深刻な事態になった恐れがある」と聞かされ、玉本さんは「戦争で原発が標的となる現実」を強く感じた。 中部の都市クリビーリフでは小中一体の学校2校を訪れ、豊能町立とよの東学園の児童生徒が折った鶴をひとつずつ手渡した。昨年12月にウクライナの子どもの状況を話したのが縁で「平和を願う気持ちを伝えたい」と託された。折った子どもの名とウクライナ語で「ナディーヤ(希望)」と記された鶴を手にした子どもたちは、日本語で「ありがとう」と言って喜んでくれた。 学校を訪問中、防空警報が鳴り、子どもたちは地下のシェルターに避難した。警報が解除されるまで窓のない地下の教室で授業を受け、1日に何度も退避することがあるという。 父親が前線で戦死した子や、家族がミサイル攻撃で死傷した子もおり、校長先生から「多くの子どもが心に傷を抱えている」と聞かされた。 小学6年の女児が目を潤ませながら語った言葉が心に残った。 「ミサイルが飛んでこない平和な青い空の下で、みんなが安全に、幸せに暮らせるようになってほしい」 玉本さん自身、オデーサの宿泊施設で真夜中に何度も警報に起こされ、不気味なドローンのプロペラ音を耳にしては地下室に退避した。 ロシアの侵攻から4年余り。戦争が長引き、避難生活の長期化で生活が困窮している人もいる。物資不足で国民生活が厳しい中、政権幹部らの汚職疑惑に対する怒りや失望の声も耳にした。 玉本さんは「戦争で犠牲になって苦しむのは、力なき市民です。同じ時代を生きるウクライナの人々が直面している状況や苦悩に心を寄せてもらえたら」と語った。 玉本さんの報告会は7月4日午後7時から箕面市立多文化交流センターで。ビオラ奏者吉田馨さん、ピアニスト中井由貴子さんの演奏も。軽食付きで一般3500円。定員60人。申し込みは同センター(072・727・6912)。 11日午後2時からは、とよなか国際交流センターで。参加費1千円(学生500円)。定員60人。問い合わせは、国際交流の会とよなか(06・6840・1014)。 31日~8月4日は岸和田市春木若松町のラパーク岸和田内キスパプラザで写真展を開く。入場無料。31日午前11時からは玉本さんの講演もある。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません