インタビュー聞き手・岩本修弥印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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幼い頃、親から「本を読みなさい」と言われた人は多いのでは。読書が苦手だが新聞記者になった私もその一人。でも、これだけ動画やSNSが発達した世の中で、本を読む必要は果たしてあるのだろうか。「本とは何か」(新潮社)を著した美学者の難波優輝さんに、なぜ人は本を読むのか、そのわけをじっくり聞きました。おべっか使わない唯我独尊感 ――本を読むのが大好きだそうですね。 きっかけは絵本の「スイミー」です。小学生のころ、授業が嫌で逃げ隠れしていたときに、誰もいない図書室で読みました。他人とのつながりを求めず、一人の世界に逃げるために。でも、スイミーは、みんなで一致団結しようという内容だったんです。 自分がスイミーを読んだ動機と物語の中身は全く異なるのに、なぜかひかれました。本は、こっちのコンディションに関係なく、傷つけたり、癒やしてくれたりする。AI(人工知能)はこっちに寄り添ってくれるけど、本はおべっかを使ってくれない。そんな唯我独尊感に、本の魅力を感じました。ある意味私たちを無視しているからこそ、受け入れてくれる優しさみたいなものがある気がしますね。 ――私は本を読むのが苦手なんですが、読書は人生に必要不可欠なんでしょうか。 スマホやSNSの発達によって、本を読まなくなった人もいますよね。私は絶対本を読むべきだ、とは思いません。読みたいと思ったときに読めばいい。ざるそばだって、食べたいときに食べるでしょう。 でも、物理的な紙の束を持ってめくるという動作の面白さ、独特な雰囲気の中に入り込む良さが、本にはあります。いつでもやめられる、やめてもいいという自由さが、スマホのコンテンツのように注意をひきつけない。だから、ついスマホを使ってしまう人たちにも、改めて本の良さも知って欲しいです。 全部読まなくてもいいし、途中から読んでもいい。読んだらすぐに忘れてもいい。私自身は1年間で200~300冊の本を買いますが、買ったものの目次しか読んでいない本もあります。一文だけ心に刻む、そんな楽しみ方でいいと思います。漫画や料理のレシピ本だって立派な本です。 本の読み方って、人それぞれで自由なんです。人生で1冊だけでもいいと思うんですよね。20年後に読むかもしれないんで、置いておくのがおすすめです。人に読んでもらい、その感想を聞くだけでも。高校生の頃、友達にそれをさせられてました(笑)。本って幽霊 ――活字離れと言われて久しいですが、本を読むことの意義をどう感じていますか。 少し離れたところからお話し…この記事は有料記事です。残り1470文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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