編集委員・山下知子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
[PR]
今日も延々と文字を書かなきゃいけないのか――。 東京都内に住む朝野幸一さん(15)は小学生の頃、朝を迎えるたびにそう思っていた。 放課後、夕日に照らされながら、半泣きになって母親と漢字の書き取り学習に取り組んだ。1時間、2時間、3時間……。午後9時には疲れ果てて眠りに落ちる。そして朝。また文字を書く一日が始まる――。 本は大好きだった。保育園に通っていた頃は、園の蔵書に飽き足らず、自宅から本を持って登園。年長から小学1年にかけては、加古里子(かこさとし)さんや寺村輝夫さんの児童文学作品などを愛読した。 小学校に入り、「あれ?」と思った。 書こうとすると、漢字の形が思い出せない。平仮名はかろうじて思い出せたが、形は不格好。形が似ている「あ」と「お」、「た」と「な」などをよく混同した。ドリルには先生の赤ペンが大量に入った。 どう頑張ってもうまくいかない。2年生の頃には、明確に苦手さを意識した。文字を書くことに困難がある「書き障害」。発達障害の一つである学習障害に含まれ、「ディスグラフィア」とも呼ばれます。東京都出身の高校1年、朝野幸一さん(15、ペンネーム)は2月、自らの経験をつづった著書「14歳、字を書けない私が『書く』喜びを手にするまで」(新潮社)を出しました。学校や社会に届けたい思いがある、といいます。 著書で、文字を思い出す過程…この記事は有料記事です。残り1282文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人山下知子編集委員|ニュースレター「教育ひろば」編集長専門・関心分野教育、ジェンダー、セクシュアリティ、歴史関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







