インタビュー沖縄戦と現在、文学の力で歴史つなぐ 気鋭作家・豊永浩平さんに聞く聞き手・編集委員 谷津憲郎印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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沖縄の文学界に、新しい星が現れた。23歳の豊永浩平さん。三島由紀夫賞に輝いた最新作の「はくしむるち」でも、デビュー作の「月(ちち)ぬ走(は)いや、馬(うんま)ぬ走(は)い」でも、沖縄戦が物語に大きな意味をもたらしている。なぜ、いま81年前に立ち返るのか。6月23日の「慰霊の日」を前に尋ねた。 ――〈はくしむるち〉には、沖縄戦に動員された学徒、鉄血勤皇隊が登場します。巻末には、その一人だった大田昌秀・元県知事の著作などが参考文献に挙がっていました。いつから沖縄戦に関心を? 「集中的に沖縄戦について読んだのは、大学に入った後でした。卒論を書くときには、慶良間諸島での集団自決の証言集を読んでへたり込んでしまいました。ただ小学校のころから、絵本などは図書館で読んでいました」 ――育ったのは激戦地のひとつ浦添市ですね。 「6月23日が近づくと、みんなで体育座りをして体験者のおばあちゃんの話を聞くというのが、小中学校のころの思い出です。でも『命(ぬち)どぅ宝』と言われても、そんなの当たり前じゃないか、と当時は意義に気づかなかった」 ――別の対談で「自分の根っこのようなものが沖縄戦の話の中にあるはずなのに、今の景色とつなげられない」と語っていらっしゃいました。 「いまは米軍基地が普通にある。授業中にはオスプレイが飛び、一方、開放日には普天間飛行場に遊びにも行く。当たり前のこととして受け入れてしまっている現実が、自分にはあるんです」 「沖縄戦については、きちんと受け止めようという意識が県民にある。うちでも慰霊の日は、おじいおばあとテレビで式典を見て、手をあわせて過ごしていました。でも戦後の話になると、基地を容認するのかしないのかという政治の話になってしまう。かつては反基地運動が人権を回復する手段として認識されていたのでしょうけれど、自分たちの世代は、異議申し立てをすることにひるんでしまう。現実にどう切り込んでいったらいいかわからない、という課題がありました」 ――そういうことを考えるようになったのはいつからですか? 「高校まではピンと来ていなかった。基地の話などは、文学への自分の興味とは別次元のことだと思っていました。でも大学で、それこそが沖縄文学とセットになっていると知ったんです」 ――沖縄で小説を書けば沖縄…この記事は有料記事です。残り1521文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人谷津憲郎編集委員専門・関心分野沖縄、公文書、社会心理、ことば関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






